彼女がほしい男性が「唇カサカサだからリップ塗ったほうがいいよ」のアドバイスに激昂したワケ 〈日本一高いレンタル彼女が考察〉

突如、SNSで巻き起こった「男がリップを塗るのはモテる努力か、身だしなみか」論争。元のポストをした“日本一高いレンタル彼女”こと、よもぎちゃんが「なぜ男性はここまでセルフケアができないのか」、その背景を分析する。

「そこまで必死にモテようとしたくない」

「レンタル彼女」というものを10年やってきて、今では恋愛に悩む人を受け止めるだけでなく引き上げられないかと思い、数年前から彼女ができたことのない人や、マッチングアプリで苦戦する人の、外見やコミュニケーション力向上のサポートをする、サポート・コンサル事業を行っている。

先日、恋愛サポートアカウントでこんなポストがバズった。

「彼女がほしいからアドバイスをください」と私のカウンセリングを受けてくれた男性の唇がカサカサだったので、リップクリームを塗るように指摘したポストだ。

こんな内容がバズるなよ、とも正直思ったが、私と依頼者の男性、それぞれに感情移入する人がそれだけ多かったようだ。

そもそもこの指摘は、恋愛アドバイスというより「あ、切り傷あるよ。絆創膏貼りなよ」と言うのと同じような感覚だった。それに対し「そこまで必死になって、モテようとしたくない」と返す男性のズレ。彼に恋人ができるまでの道のりは、万里の長城なみに長そうだ。

前提として、私は「リップクリームを塗る=モテるのに必死」という認識に驚いた。リップを塗るだけでモテるのならば苦労はしない。あまりにも「必死」の程度が低すぎる。本物の“モテるために必死に努力している人間”に謝った方がいい。

(広告の後にも続きます)

リップをするのはモテるためなのか?

ポストに寄せられた引用やコメントを見てみた。

まず「リップ=リップグロスだと思ったのかも!」といった意見が数多く見られた。

確かに「リップグロスを塗る=化粧をする=モテるのに必死」と思ったのなら、納得はできる。しかし、唇の荒れに対しリップを勧められたときに、“薬用リップ”ではなく“リップグロス”が思い浮かぶのは、あまりにも文脈が読めていなさすぎるのではないか。

もっと言ってしまうと、彼が恋愛に苦戦している本質的な要因は、「リップを塗っていないこと」ではなく、「正しく文脈が読めない」という点なのだと思う。ここで普通の男性なら「リップグロスや口紅ではなく”薬用リップ”のことだろう」とリップに馴染みがなかったとしても会話の文脈から予測ができるはず。

一方で、多くの女性からは共感の声をいただいた。「分かる! 気になる!」「切れてる唇を見ると痛そう」「唇カサカサだと一気に清潔感なくなる」といったもの。

女性は自分たちがきちんと身だしなみを整えセルフケアができている分、無法地帯と化している他人の唇にしっかり目がいってしまう。

とはいえアドバイスを求められた私とは違い、それを本人に指摘することはない。「うわぁ」と心の中で思うにとどまる。これは男女関係なくだが、大人になるごとにこういった指摘をすることも、されることも少なくなっていく。

同様に、男性からも「今どきリップくらい当たり前」「乾燥の時期は手放せない」「周りみんな使っている」という利用者としての意見もわりとあった。それは決してモテるためではなく自分のためだ。自分の唇を乾燥から守るため。清潔感を保つため。

反対に、ポスト同様の、リップ反対派男性からの意見では、「唇になにか塗ってある感覚がいや」「食べ物に味が移りそう」「女々しい」といった声が見られた。100歩譲って感覚に対する嫌悪感や味覚への影響は個々人のものなので理解はできる。

ただ、「女々しい」という意見に関してはやはり「リップクリーム=化粧」という認識なのだろう。そもそも近年ではメンズメイクをする男性の人口も増えてきたので、「メイク=女性的」とも一概には言い切れないのだが。