PTZカメラコントローラーの実力を検証、ソニー、キヤノン、パナソニックの違いとは Vol.03 [PTZ Camera Review 2024]

PTZカメラ本体の性能に注目が集まりがちだが、コントローラーまで気を配る方は少ないのではないか。今回は、国内の大手PTZカメラメーカーから、ソニー「RM-IP500」、キヤノン「RC-IP1000」、パナソニック「AW-RP150GJ」の実機をお借りしたのでレポートしたいと思う。

サイズ感の比較

サイズ感から見ていこうと思う。縦横の大きさは各社ほぼ同じで、横に長方形のサイズとなっていて、手前側は左からズームコントロール、中央がカメラ選択またはプリセット選択、右がパンチルトのジョイスティックという並びだ。


パナソニック「AW-RP150GJ」(左)、ソニー「RM-IP500」(中)、キヤノン「RC-IP1000」(右)

サイドから眺めてみると、どの機種も手前側が低く、奥に行くにつれて角度がついている。RM-IP500は手前から奥までストレートの構造だが、RC-IP1000は手前側と真ん中から奥側で角度が異なる構造、AW-RP150GJはモニター部のみ角度が強くついている印象だ。


パナソニック「AW-RP150GJ」(左)、ソニー「RM-IP500」(中)、キヤノン「RC-IP1000」(右)
サイズと重量の比較
パナソニック「AW-RP150GJ」 ソニー「RM-IP500」 キヤノン「RC-IP1000」
外形寸法(突起物除く) 342mm×178mm×245mm 306mm×159.3mm×224.1mm 342mm×145mm×245mm
質量 約3.2kg 約2.4kg 約3.4kg

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ソニー「RM-IP500」


まずは、ソニー「RM-IP500」から見ていこう。

RM-IP500は2017年に発売されたコントローラーで、今回の比較の中では最も歴史が長く、PTZカメラ業界ではよく知られているコントローラーなのではないだろうか。そのため、近年発売の一部の機種では一部表示名や機能が異なるため、使用する場合はファームウェアの更新だけでなく、「ILME-FR7用パネルシート」と呼ばれる本体に被せるシートが必要となる。


ILME-FR7対応のためのRM-IP500専用シート

また、入出力端子は、ソニーが開発したカメラ制御プロトコルVISCA対応のRS-422ポートが1つ、LANポートが1つ、さらにGPI端子も備えている。

 
  


ソニー「RM-IP500」の背面※画像をクリックして拡大

コントローラーへのカメラの登録は、RM-IP500本体のみでも可能だが、ソニーから提供されているソフトウェア「RM-IP Setup Tool」を使うことでより簡単にカメラ登録が可能だ。

まず、RM-IP500本体とPTZカメラ、設定PCを同一ネットワークに設定し、RM-IP500をアップデートモードに設定する。すると、RM-IP Setup Tool上でRM-IP500の設定が触れるようになり、カメラを登録する流れとなる。

実際にコントローラーを操作してみようと思う。まず感じたのが、ジョイスティックの軽さである。他の機種に比べて遊びが多いため、少し倒さないと反応しない。そのため、不意にスティックに手が当たっても動いてしまうことは少ないだろう。ただ、軽い分、反応してからの感度も良いので、少々慣れが必要に感じた。