現地時間11月10日に行なわれたラ・リーガ第13節で、レアル・ソシエダは首位バルセロナを1-0で下すという大金星を挙げ、ラ・リーガでは今季初の連勝を飾っている。
本拠地レアレ・アレナでの一戦、13分にロベルト・レバンドフスキにゴールネットを揺らされるが、これがオフサイトで無効とされてから20分後、ソシエダはシェラルド・ベッカーがゴール右隅に流し込んで先制。その後、幾度も得点機を創る一方でバルサの反撃を封じ込め、勝点3を獲得してみせた。
ユース時代を過ごした思い出のクラブと対峙した久保建英は、果敢な仕掛けや的確なパスでチャンスの場面を演出。データ専門サイト『WhoScored.com』によれば、ボールタッチ42回、シュート2回(枠内1回、ブロック1回)、パス22回(成功16回)、キーパス3回(両チーム最多タイ)、ドリブル2回(成功)、空中戦2回(勝利1回)、タックル4回(成功2回)、クリア1回、ボールロスト2回、オフサイド1回というスタッツを記録している。
試合後、自身のSNSで「(代表ウィークによる)中断を前に重要な勝利を手にすることができました。(中略)次は日本代表での試合に集中しつつ、リーグ再開にも備えます」と喜びを表わした久保。これに対し、現地メディアからは高評価がこの背番号14に下され、マドリードのスポーツ紙『MARCA』は「この日本人選手は、ボール捌きが速く、判断も賢く、イマノル・アルグアシル監督率いるチームの勝利に大きく貢献した」と称賛した。
また同メディアは、他にも「ソシエダの攻撃はほぼ全て右サイドで行なわれ、そこで久保が際立った活躍を披露。彼はバルサの守備陣を翻弄し、幾度もドリブルでゴール目前まで迫った」「ラ・レアルは久保にボールが渡るたびに、ハンジ・フリック率いるチームに脅威と問題を与えた」「久保は誰にも止められない! (31分に)アレハンドロ・バルデとペドリの間を抜け、エリア内で低いシュートを放った」と賛辞を綴っている。
採点は3点満点でDFナイフ・アゲルドと並んで最高の「3」を久保に与えたが、一方の『as』紙も同採点(こちらは多くのチームメイトが満点評価)。ソシエダのチーム全体のプレーを称えるとともに、「この勝利はタケ・クボのおかげでもある。彼はボールを持っている時も素晴らしく、また持っていない時も献身的に動いた」と報じた。 敗れたバルサの地元スポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』は、ライブ実況の記事で「久保がドリブルとカットインを重ねてスペースを見つけ、低いシュートを放って、GKイニャキ・ペーニャをあと少しで驚かせるところだった」「久保の素晴らしいクロス」「最高のプレーを見せた」と、たびたび日本人選手のプレーに言及している。
また個別評価の記事では、久保を「スター」と表現し、寸評でも「右サイドで常に危険な存在だった。時折(対面する)バルデを翻弄し、チームに最大のメリットをもたらすために試合を完璧に理解して動いていた。素晴らしい働きぶりだった」とポジティブにそのプレーを評した。
日刊紙『El Pais』は、「9月から続いていたバルサの好調は終わり、ラ・レアルの輝きとタケの実力が際立った」と伝え、久保についてはさらに「彼の存在はレアレ・アレナにおいて、バルサにとってのラミン・ヤマル(負傷欠場)と同じくらいの重みがあった。ソシエダは、奇しくもラ・マシア(バルサの育成組織)でも活躍した日本人選手が織りなすプレーを中心にして、素晴らしい試合を完成させた」と絶賛している。
ソシエダの地元バスクの日刊紙『noticias de Gipuzkoa』は、「久保は電光石火のプレーを見せ、リーガを大きく揺るがそうという意欲を持っていた」と、彼の影響力の高さを強調。10点満点の採点ではチーム最高タイの「9」という高評価を下し、以下のようにそのプレーを振り返った。
「日本人選手は素晴らしいプレーを披露し、右サイドで鋭い突破を仕掛けた。彼の電光石火のプレー、モチベーションの高さ、そしてインスピレーションによって、試合の流れが変わった。バルサに対して、プレッシャーをかけ続けた。CKでゴールが決まらなかったのは残念だった」
サッカー専門サイト『El Desmarque』は、「電光石火のプレーであり、それは今季これまで以上に、見る者にとって馴染みのあるこの日本人選手のプレーだった。試合中、バルサ守備陣にとっては、もうひとりの頭痛の種となった」と寸評を綴り、採点は決勝点のベッカー(9)に次ぐ「8」を付与している。
構成●THE DIGEST編集部
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