ウッド重視タイプ ベテランも若手もウッドに自信があればアイアンを減らして組もう
FWを2本にする選手が主流になりましたが、FWやUTを2本以上入れているウッド重視派の選手もいます。アイアンよりもウッドが得意なアマチュアは、こういった選手のセッティングを参考にするのもアリです。
たとえば青木瀬令奈選手はFWを4本、UTを5、6、7番の3本入れて、アイアンは8番からにしています。彼女はウッド系で数ヤードの距離感まで調整できるので、アイアンよりも飛距離をかせげるFWやUTを増やしているのです。
尾関彩美悠選手はFW2本ですが、UTを3、4、5、6番の4本入れて、アイアンを7番からにしています。尾関選手はロフト28度の6UTをグリーン周辺のアプローチでも使っていて、そういう使い方もマネてみるのもいいと思います。
FW、UTのモデルはバラバラ!
7本のFW、UTを入れている青木は「ゼクシオ」と「スリクソン」の新旧モデルを併用。16年モデルの「Z H65」も使っている。
青木瀬令奈
●あおき・せれな/1993年生まれ、群馬県出身。153cm。ツアー通算5勝の実力者。リシャール・ミル所属。
5・7・9Wと4UTの4本から2本を選択
FW、UTの計7本は、3Wと5・6UTは固定で、5・7・9Wと4UTの4本のなかから2本を選んで14本セットにする
菊地絵理香
●きくち・えりか/1998年生まれ、北海道出身。157cm。12年連続シードをキープ。ツアー通算6勝。ミネベアミツミ所属。
「SIMグローレ」を使い続けて復活の3勝!
2年前のツアー初優勝のときからウッドは「SIMグローレ」を使い続けて、今季3勝。アイアンも2年前と同じ「ミズノプロ719」
川﨑春花
●かわさき・はるか/2003年生まれ、京都府出身。158cm。プロ3年目でツアー通算5勝をマーク。村田製作所所属。
今季から6番アイアンを6UTに変更
ツアー初優勝した22年や23年はUTが5番まで。今年から6番アイアンを抜いて、6UTを使うようになった
尾関彩美悠
●おぜき・あみゆ/2003年生まれ、岡山県出身。158cm。今季はメルセデス・ランキング15位と自己最高の成績。JFEスチール所属。
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アイアン重視タイプ 「5Iを入れる」のお手本岩井姉妹はUTゼロ! FW1本の選手も増えた
ウッド系が少ない選手も見られました。FWを1本にしたり、UTを使わないセッティングもツアーで活躍しています。
UTを使わない選手の代表格が岩井姉妹です。ふたりとも飛び系アイアン「EZONE GT」の6番アイアンをUTの代わりとして使っています。そのためセッティングの番手だけで見ると6番アイアンが2本入っていますが、「EZONE GT」の6番はロフト22度という超ストロングロフト設計です。
FWを3Wのみにしている河本結選手、桑木志帆選手などは、5Wの代わりにロフト19度の3UTを入れています。アイアンは5番からです。アマチュアでも「5番アイアンを使いたい!」という人は3UTを入れたり、上田桃子選手のように5番アイアンだけ別モデルにするコンボセットもオススメです。
1Wはフックフェース 3Wは飛距離重視の14.5度
3Wはロフト14.5度の「3W D」を使用。ドライバーは調整機能を使ってフックフェース(Hポジション)にしている
岩井明愛
●いわい・あきえ/2002年生まれ、埼玉県出身。161cm。23、24年と2年連続でツアー3勝をマーク。Honda所属。
ウエッジ以外はすべでカーボンシャフト
セッティングは姉・明愛とほぼ同じだが、シャフトはドライバーからアイアンまでヨネックスの純正カーボンでそろえている
岩井千怜
●いわい・ちさと/2002年生まれ、埼玉県出身。162cm。プロ1年目で2週連続優勝を飾り、ツアー通算6勝。Honda所属。
3WをハイロフトにしてUTは3番と5番に
3Wは16.5度のハイロフトタイプ。UTは3番と5番の2本。3UTは16年モデルを使い続けている
河本 結
●かわもと・ゆい/1998年生まれ、愛媛県出身。163cm。19年の初優勝以来、今季5年ぶりに復活優勝。RICOH所属。
ロフト角9度の「LS」アイアンは8年間使用
ドライバーはロフト9度のロースピンタイプ。FWは1本、UTを2本にして、アイアンは16年モデルの名器を8年間使用
桑木志帆
●くわき・しほ/2003年生まれ、岡山県出身。163cm。プロ3年目の今季は2勝をマーク。大和ハウス工業所属。
1Wは新作の「GT2」を投入
契約フリーの天本は、ドライバーはタイトリストの新作「GT2」。FWからUTとウエッジはキャロウェイで統一
天本ハルカ
●あまもと・はるか/1998年生まれ、福岡県出身。162cm。パナソニックオープンで、ツアー初優勝。明治安田所属。
3Wは10年以上も「X-HOT」「DCB」も21年モデル
なかなかクラブを替えない上田。3Wは10年以上「X-HOT」を使い続けている。5番アイアンだけ「DCB」にしたのは21年から
上田桃子
●うえだ・ももこ/1986年生まれ、熊本県出身。161cm。シード権を保持し続けるベテラン選手。ツアー通算18勝。ZOZO所属。
いかがでしたか? ぜひ。クラブセッティングの参考にしてみてくださいね。
解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。
構成=野中真一
写真=竹田誉之、田中宏幸
撮影トーナメント=ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン
※選手のセッティングは練習ラウンド時のもの。試合中は計14本になります。選手の成績などは10月11日現在