ツアー最終戦で黒星発進のアルカラスが体調不良を明かす「呼吸がうまくできず息切れしてしまった」<SMASH>

 現在開催中の男子テニスシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(11月10日~17日/イタリア・トリノ/室内ハードコート/FIN)のグループリーグ(以下GL)初戦で敗れた世界ランク3位のカルロス・アルカラス(スペイン)が、試合後の会見で体調不良に見舞われていることを明かした。

 シーズンを通して好成績を収めた上位8名が出場できる最終戦、今季だけで四大大会2勝を含むツアー4勝を挙げている21歳のアルカラスはジョン・ニューカム・グループとして参戦。現地11日に行なわれたGL初戦では過去4勝0敗と好相性のキャスパー・ルード(ノルウェー/7位)と顏を合わせた。

 だが今回は再三のブレークチャンスを逃すなど苦戦。簡単なミスも多発し、第3ゲームから5ゲームを連取されて第1セットを早々に落としてしまう。第2セットは中盤で先にブレークを奪うも第8ゲームから立て続けに5ゲームを失い、1-6、5-7のストレート負け。1時間25分で力尽きた。

 どうやら開幕前からコンディションが芳しくなかったようだ。ルードに初黒星を喫したアルカラスは試合後の会見で「ここに来る前に体調を崩した」と報告。その上で詳細を次のように説明した。
 「ここに来てからは練習も順調で、体調が悪い中でも自分の中では良い感じだったし、試合で長いラリーもできるだろうと思っていた。日が経てば少しずつ良くなっていくと期待していたが、今日は初戦の緊張のせいか、あまり調子が良くなかった。特に胃の調子が悪く、プレーに支障が出てしまい、快適には感じられなかった。

 こういうことが起きることを学ぶ必要はあるし、シーズンの全ての試合で調子が良いとは限らない。でも今日は呼吸がうまくできず息切れしてしまって、ラリーやポイント間での回復にもすごく苦労した」

 一方でアルカラスは決して言い訳をしたいわけではないと弁明。トッププレーヤーならではのジレンマを示しつつ、こう締めくくった。

「こういったことを話すのは好きじゃない。言い訳のように聞こえてしまうし、キャスパーの努力やレベルにケチをつけたくないからね。それでも最後には、こんなふうに自分がどう感じているかを話さないといけないんだ」

 GL2戦目では世界8位のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)と対戦するアルカラス。次戦までに少しでも体調が回復することを願うばかりだ。

文●中村光佑

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