「一緒にいることで彼らの力は1.5倍にも、2.5倍にもなる」元NBA選手が好調サンズの強みと課題に言及<DUNKSHOOT>

 フェニックス・サンズは今季、開幕10試合で8勝と好スタートを切った。ケビン・デュラント、デビン・ブッカー、ブラッドリー・ビールの攻撃特化型ビッグ3が結成2年目を迎えたなかで、元NBA選手のギルバート・アリナスはその強みと課題について持論を述べている。

 サンズは2015-16シーズンから所属するブッカーに加え、23年2月にブルックリン・ネッツからトレードでデュラントを獲得。さらに、昨季開幕前にワシントン・ウィザーズからトレードでビールを迎え入れ、キャリア平均20点以上を誇るスコアラーが3人揃った。

 しかし、ビッグ3初年度はシーズンの半分(41試合)の共闘にとどまり、その間のチーム成績は26勝15敗。49勝33敗でウエストの第6シードこそ獲得したものの、プレーオフでは1回戦でミネソタ・ティンバーウルブズに4連敗を喫した。

 迎えた今シーズン、開幕戦でロサンゼルス・クリッパーズを延長戦の末に116-113で下すと、現地10月27日のダラス・マーベリックス戦から破竹の7連勝をマーク。11月10日のサクラメント・キングス戦で連勝はストップしたが、ここまでウエスト2位タイと好位置につけている。
  個人スタッツに目を移すと、デュラントが平均27.6点、6.6リバウンド、3.4アシスト、FG成功率55.3%、3ポイント成功率42.9%、ブッカーが平均23.1点、3.9リバウンド、7.3アシスト、ビールが平均17.0点、4.1リバウンド、3.6アシストを記録。デュラントが5回、ブッカーが3回、ビールが1回チームのスコアリングリーダーになっている。

 アリナスは自身がホストを務めるポッドキャスト番組『Gil’s Arena』で、「彼ら(デュラント、ブッカー、ビール)が健康なら、このスタートはサプライズでも何でもない。1人が欠けて、戻ってきたと思ったら、誰かがチームを離れると問題なんだ」と、サンズの好調ぶりについて語った。

「彼らが一緒にいることで、ゲームを支配できることが期待できる。試合に勝つために、3人が全員同時に主役になる必要はない。彼らの力は1.5倍にも、2.5倍にもなる。デュラントが主役にならなくても、ブッカーがそれを担える。それぐらいの才能を秘めている。ブッカーが担えないなら、ビールがいる。彼は以前、リーグの得点王レースを牽引していた(2020-21シーズンにリーグ2位の平均31.3点)ことは周囲の事実だ。必要であれば同じ仕事をこなすことができる選手が3人いるんだ」
  そのほかでは、ロイス・オニールが10.2点、6.7リバウンド、ユスフ・ヌルキッチが平均9.9点、10.2リバウンド、グレイソン・アレンが平均8.3点、先発PG(ポイントガード)のタイアス・ジョーンズは平均11.0点、6.3アシストを残しているが、パンチ力に欠ける感は否めない。

 アリナスも「ゴールデンステイト(ウォリアーズ)のようなユニット・コネクションはない。3人(デュラント、ブッカー、ビール)がスコアラー。ドレイモンド・グリーンのような周囲を良くする選手はいない。ゲームをコントロールできる選手が必要だ」と指摘する。

「アンドレ・イグダーラ(元ウォリアーズほか)は№1オプションじゃなかった。第3オプションで、他のあらゆる選手とプレーできた。彼はチームプレーをするための架け橋のような存在で、周囲を良くするパーフェクトな選手だった」
  ウルブズやDリーグ(現Gリーグ)、中国などでプレーした元選手のラシャード・マキャンツも「ロールプレーヤーが足りない」とサンズの課題を挙げている。

 11月10日にデュラントが左ふくらはぎの負傷で最低2週間の離脱が発表されたが、チームはこの危機を乗り越え、現在の順位をキープすることができるのか。

構成●ダンクシュート編集部

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