『ザ・リーヴ presents 超人・石森太二は無茶をする』東京・新宿FACE(2024年11月12日)
スペシャルシングルマッチ ○石森太二vsドラゴン・ダイヤ×
石森がダイヤを撃破して、実に1日8試合となった『超人・石森太二は無茶をする』を完走。後楽園ホールでの次回大会開催に意欲を見せると、「石森太二対ドラゴン・キッド、これだけはやってやるぞ。ドラゴン・キッド、俺は待ってるぞ」と呼びかけた。
『超人・石森太二は無茶をする』は石森が主役の特別興行。高橋ヒロムが『ジュニア夢の祭典 〜ALL STAR Jr FESTIVAL 2023〜』、エル・デスペラードが『DESPE-invitacional』を成功させたことに刺激を受けた石森が、大会実行委員会と思われるAI音声から提案を受けて開催されることになった。しかし、フタを開けてみれば、1日5試合に挑む前代未聞のハードな内容に。まさに”超人が無茶をする“特別興行となった。
札止めとなった今大会のメインイベントでは、かつての石森が憧れた存在で、新人時代には指導も受けたDRAGONGATEのキッドとシングルマッチで対戦する予定だったが、キッドが首の負傷で急きょ欠場に。石森は当日発表のXと一騎打ちに臨むことになった。
すでに再試合や当日に決まった第0試合を含めると7試合をこなしている石森は、いくら“超人”と言えど疲労困ぱい。そんな石森の相手として、AI音声は「石森選手ほどの実力者ならば、透明なドラゴン・キッド選手とも素晴らしい試合を展開できるはず」と提案する。
だが、石森は「ふざけんな。茶化して終わるんじゃねえよ。ここまで駆け抜けてきたんだよ。もう1試合やって、駆け抜けたいんだ」とその案を一蹴。AI音声が“セカンドプラン”として、「統計の結果、師匠のピンチは弟子が駆けつけるものだそうです」と提示したのが、ダイヤとの対戦だった。
石森と同じウルティモ・ドラゴンの遺伝子を受け継ぐ選手であり、キッドの愛弟子で、最近は新日本マットでも活躍している。リングに上がったダイヤは「石森選手、残念ながら、今日ドラゴン・キッドさんはこの会場に来ていません。でも、弟子であるこの俺、ドラゴン・ダイヤがいます。キッドさんから受け継いだすべてを石森さん、あなたにぶつけます」と宣戦布告。ここでメインイベントのカードが電撃決定した。
ゴングが鳴ると、いきなりダイヤが仕掛けた。ロープを高速往復しての変型アームドラッグからドロップキックで場外に石森が蹴落とす。石森が即座にリングに戻っても、キッド得意のデジャブ(多回転式コルバタ)で再び場外に追いやり、ノータッチトペコンヒーロを敢行した。
しかし、石森もラフファイトでペースを奪取。剥き出しになったコーナー金具にダイヤを投げつけると、コウモリ吊りなどルチャの技術も交えつつ、首や肩への一点集中攻撃を重ねる。ダイヤも619、その場飛びムーンサルトプレス、雪崩式アストロシザースホイップと躍動感溢れる動きを連発したものの、石森はDDDDT狙いをキャッチし、サイファーウタキを繰り出した。
ショルダーバスターなどで再び肩を攻めるが、ダイヤも譲らず。飛びつき式DDT、逆打ちと大技で巻き返す。そして、キッドばりのクリストにも捕獲。石森は強引なサイドバスターで脱出。カウンターのジャンピングニーを決めたものの、止まらないダイヤは得意のレプテリアンラナで勝負に出た。
しかし、肩を上げた石森は、しつこくレフェリーとの交錯を誘い、無法地帯を作ると急所蹴りから飛びつき式の逆打ちをズバリ。Bone Lockに持ち込んだ。ロープに手を伸ばすダイヤをリング中央に引きずり込み、リバースブラディサンデーを決めると、一気にブラディークロスがさく裂。石森が3カウントを奪った。
今日8試合目となったメインで勝利を飾り、大の字になった石森だったが、マイクを持つと、「ドラゴン・ダイヤ。今日は急きょだったけど、また改めてやろうぜ」と再戦を呼びかけた。「なんか毎回毎回映像で話しかけているヤツがいたな。あいつ最初からすげぇナメたこと言ってたんだよ。『石森興行で後楽園でやる自信がない』と。この空席ない状況でも、この試合を見ても自信ないって言えるのか? ここじゃ箱が小せえだろ? だからよ、次回は後楽園でやらせろ!」と後楽園ホールでの次回大会開催をアピールした。
AI音声が「『石森太二はもっと無茶をする』、120分アイアンマンマッチ、開催未定です」と返答すると、石森は「ちょっと待て。開催未定だったらこういうの出す必要ねえじゃねえか。それで120分? できるわけねえだろ!」と声を荒げたものの、「今の発言は撤回…と言いたいところだけどよ、俺はここでどうしてもやらなきゃいけない相手がいるんだよ」と続け、「なかなか大人の事情で、あといろいろリングでは巡り会えない人生だけどさ。次回大会、俺の興行でメインのシングルマッチ、石森太二対ドラゴン・キッド、これだけはやってやるぞ。ドラゴン・キッド、俺は待ってるぞ」と今回流れてしまったキッド戦実現に意欲を見せた。
リングに座ったままマイクアピールを続けた石森は「スゲェいろいろ振り回された状況だけだよ。これもすべて巡り合わせ。自然とこうなる運命。俺にいつも必要なものを与えてくれている。お前らわかるか? これが。すべては神の恵み。そう、グレイスだ!」と締めくくると、リングで大の字に。「石森」コールの中、体を引きずるようにしてバックステージに消えていく。最後に深夜2時に石森が歌う『ギンギラギンにさりげなく』の映像が流されると、激闘の余韻を残しながら『超人・石森太二は無茶をする』は幕を下ろした。
【石森の話】「(コメントスペースに座り込んで)今日はもういいだろ。今回のことは明日以降に俺のXで語らせてもらうよ。まあ、プロレス界は何が起こるかわからねえけどよ、俺だけを見てればいい。俺だけ。俺は見ての通り超人だ。俺だけ見てればいい。ということで! それはまさしく神の恵み。そう、グレイスだ」