投げ上げたボールを地面に叩きつけるイメージで力を出す
ボールが投げ上げられる(写真右上)
最高点までは邪魔しない(写真右下)
ボールの落下に合わせて力を出す(写真左上)
出力をアップして叩きつける(写真左下)
重力にパワーを乗せるタイミングで出力する
ダウンスイングで効率よくクラブを加速させるためには、切り返しの「間」が必要。右手で持ったボールを投げ上げるようにバックスイングし、トップで無重力になる瞬間を感じたあとで、落下していくボールに合わせて出力し、ボールを加速させる。最高点に達するまで邪魔をせず、切り返しでこの「無重力」を感じられるタイミングなら、クラブの振り子の周期を妨げずに加速させることができる。
早:ボールが上がり切る前にパワーを出す
最高点に達する前に出力してしまうと、エネルギーロスが大きい。まだ上がっているボールを叩き落とすような動きもNG
遅:ボールが落ちるのを追いかけて出力
出力のタイミングが遅すぎて、落下が進んでから途中であわてて追いかけるように振り下ろすのも効率が悪い
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トップで無重力を 感じられるタイミング
――体的な切り返しといえるダウンスイングのスタートは、早いタイミングで下半身から動くということはわかりました。では腕やクラブはそれに引っぱられるだけなのですか?
安岡:下半身に引っぱられて動きたいですが、それ「だけ」ではないですね。バックスイング方向への動きからダウンスイングに方向転換したあと、そこからクラブを加速させるために出力していきます。
柳橋:ここはもはやダウンスイングの話なんですが、実際はシームレスですし、前述のような「クラブの振り子の周期を妨げない」という点は共通なので、切り返しの一連の動作の一部としてイメージしておいてもいいかもしれません。
山縣:このタイミングは「ボールを地面に叩きつける」動作をメージするといいと思います。
――どういう意味ですか?
山縣:右手に持ったボールをダウンスイングで地面に強く叩きつけることを考えてみてください。普通に投げつけることもできるんですが、単純にトップの位置から投げつけても意外と力を出しにくいので、振り子のようにバックスイングしてそのモーメントを利用したい。一番効率がいいのは、ボールを持った右手が振り上がって最高点に達したあと、下に方向転換した直後から力を加えることです。まだ上に向かっているボールを途中で押し返したり叩き落としてしまってはダメ。ボールが最高点で方向転換する切り返しの瞬間に「無重力」のような状態を感じ、そのあとで落下をはじめたボールの位置エネルギーと重力に自分が振り下ろす力を上乗せするのが、一番効率がいいんです。
――この「無重力」が感じられるタイミングが重要ということですね。
安岡:これが切り返しの「間」の正体です。バックスイングの早い段階で下半身からダウンスイングをスタートさせること。そして上半身はこの「間」を作ること。これが切り返しのタイミングの重要なポイントです。
柳橋:いい切り返しは、正しいバックスイングと正しいダウンスイングからおのずと生まれるもの。だから切り返しの瞬間のことはあまり考えてほしくないというのが僕らの本音なんです。