礼儀正しく、知的な言葉遣いで状況を説明する福谷さんは、十分な社会生活能力を持っているように見える。どうして車上生活に至ったのだろうか。音大進学をきっかけに故郷の山梨から上京した福谷さんは、ファッション写真家を目指して撮影アシスタントの仕事を始める。フリーランスとして独立後、映像撮影で数百万円規模の依頼も受注できるようになり事業を法人化。一方で業界特有の価値観や人間関係に馴染めないものを感じていたという。