歴代8チーム目の開幕12連勝を飾ったキャブズ。大黒柱のミッチェルは「歴史の一部になれるなんて最高だ」<DUNKSHOOT>

 クリーブランド・キャバリアーズは、現地時間11月11日(日本時間12日、日付は以下同)に敵地でシカゴ・ブルズを119-113で下し、開幕から無傷の12連勝を飾った。

 開幕12連勝は、2015-16シーズンのゴールデンステイト・ウォリアーズ(24連勝)以来、NBA史上8チーム目の快挙だった。

 このブルズ戦でゲームハイの36得点に8リバウンド、4スティールをマークしたドノバン・ミッチェルは「歴史の一部になれるなんて最高だ」と勝利を喜んだ一方で、「さまざまな形で勝てていることを決して当たり前だとは思っていない」と謙遜していた。

 というのも、キャブズは12戦のうち5試合が6点差以内の勝利だった。2日のミルウォーキー・バックス戦は試合終了間近のミッチェルの逆転弾で連勝を伸ばし、ブルズ戦でも第3クォーター途中まで9点を追う展開だった。

 だがケニー・アトキンソンHC(ヘッドコーチ)は劣勢の場面でも主力をコートに戻さず、ベンチのキャリス・ルバート、ディーン・ウェイド、タイ・ジェローム、ジョージ・ニアン、サム・メリルの布陣で一気に同点に追いついた。

「僕らは層が厚いチーム。自分たちが望むチームになるためには、それが重要になってくる。この試合は完全にチーム全員で掴んだ勝利だ。毎晩、誰かが台頭してくれる。僕らは互いのために、エゴを捨ててプレーしているんだ」(ミッチェル)
  キャブズはミッチェルのほか、ダリアス・ガーランドが17得点、5アシスト、4スティール、エバン・モーブリーが15得点、11リバウンドを残しただけでなく、ジェロームが12得点、6アシスト、3スティール、ルバートとニアンも12得点とリザーブ陣も勝利に大きく貢献。

 昨季チームに加入し、今季からローテーション入りしたジェロームは「彼(アトキンソンHC)が僕たちのことを信頼してくれている。(ロスターにいる)15人全員をね。チームはそうあるべきだし、長いレギュラーシーズンを戦っていく中で層の厚さは必要なんだ」と語っていた。

 キャブズは今夏にミッチェル、モーブリー、ジャレット・アレンと延長契約を結んだ一方で、FA(フリーエージェント)市場では静観。それでも、昨季まで2シーズン連続でプレーオフへ進出したチームをJB・ビッカースタッフHC(現デトロイト・ピストンズHC)から引き継いだアトキンソンHCは、強固なチームを作り上げた。

 12日を終えた時点で、キャブズはフィールドゴール成功率52.0%、3ポイント成功率41.3%(平均15.3本成功)、オフェンシブ・レーティング121.3でいずれもリーグ1位。ディフェンシブ・レーティングでも同8位の109.9と上位に入っている。
  モーブリーは新指揮官についてこう話す。

「ケニーは(自身が求めるシステムを)チーム全員へ浸透させ、素晴らしい仕事をしているよ。僕らはディフェンス面のシステムを知っていた。そして彼にはこのチームで遂行することを望んでいたオフェンスの仕組みがあった。彼はそれを浸透させて、チームを改良したんだ」

 シューターのマックス・ストゥルースが足首のケガで開幕から欠場しているが、この男が復帰し、新たなシステムへフィットすれば選手層はさらに厚みを増すだろう。
  チームはこれ以上ない最高のスタートを切ったが、エースのミッチェルは決して満足などしていない。

「僕らはいいプレーができているし、チーム内の雰囲気もいい。だけど、このチームであり続けないといけない。僕らは序盤で試されることになるだろう。じゃあその後も継続できるのか? 僕は全く疑うことなく『そうだ』と言えるよ」

 2018年のレブロン・ジェームズ退団以降、リーグ内で陰の薄い存在となっていたキャブズが、再びリーグの主役に躍り出る日はそう遠くないかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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