クロップ政権下の「リバプール助っ人ランキング」で遠藤航にはポジティブな評価!「その費用に対してクラブは十分なリターンを得た」

 リバプールは今季、新監督アルネ・スロットの下で好調なスタートを切り、プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ(CL)という世界最高峰とされるコンペティションでいずれも首位を快走している。

 しかしこのクラブで2年目を迎えた遠藤航は、ここまで公式戦でわずか8試合の出場。先発出場はカラバオ・カップの2試合のみで、プレミアリーグでは計19分(5試合)、CLでは計1分(1試合)の出場時間に止まっており、昨季にユルゲン・クロップ監督の下でしばしばキーマンとして各方面から注目された状況と比較すると、寂しさは否めない。

 それでも、この日本代表キャプテンは腐ることなく、少ない出場時間の中で懸命なプレーを披露しており、クリスタル・パレス戦後には指揮官から「ボールを持った時のプレーの良さや、セカンドボールの奪取など、非常に大きな影響をチームに与えた。5分しかプレーしていないにもかかわらず、あれだけのパフォーマンスを見せるのだ。このことが、彼がどんな人間であるかを物語っている」と敬意に溢れた賛辞を受けている。
  評価はその姿勢だけに止まらず、戦力としての価値はまだ失われていないようで、ここまでイプスウィッチ、フルアム、ウォルバーハンプトン、セルティック、インテル、ミランといった国内クラブから関心を寄せられているとの報道が複数の現地メディアからなされており、その去就が注目されている状況だ。

 昨季もシュツットガルトから加入した際にはその能力が疑問視され、実際にしばらくは適応に苦しんだ時期があったものの、冬に入ろうという時期にその献身性とボール奪取能力が発揮されるようになると、「レッズ」の中盤の底に君臨するようになり、アンカーとしての能力でアレクシス・マク・アリステルと比較されるまでに重要な存在へと昇り詰めていた。

 ワールドクラスが勢揃いしているリバプールで現在は“クローザー”としての役割を果たし、ベンチに座り続ける日々の中でも巻き返しを誓っている31歳だが、スポーツ専門メディア『GIVE ME SPORT』はクロップ監督が9年間の在任期間で行なった戦力補強により、アンフィールドのピッチに立った「助っ人」45人をランク付けしており、遠藤は「23位」にランクインしている。 寸評では、「新たな中盤の再構築を進めていたリバプールに加入した遠藤には、当初それほど多く出場機会があるとは期待されていなかった。しかしこの日本代表選手は、渡英後の最初の6か月間で安定したパフォーマンスを見せ、クロップのチームにおいて信頼できる存在となった」と、背番号3のレッズでの軌跡を振り返り、さらに以下のように評した。

「マク・アリステルのようなスーパースター級の選手ではないかもしれないが、遠藤はチームのために黙々と仕事をこなしてきた。こうしたタイプの選手はどのクラブにも必要とされる存在だ。また、移籍金はわずか1600万ポンド(約32億円)だったため、その費用に対してリバプールは十分なリターンを得ていると言えるだろう」

 ちなみに、遠藤に次ぐ評価(24位)を得たのは同じ日本人選手の南野拓実。2020年から2022年まで所属した現モナコのアタッカーも、725万ポンド(約14億円)でレッドブル・ザルツブルクから移籍してから、モハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノの3人が前線に君臨し、さらにディオゴ・ジョタら逸材もいるチームではポジション争いで苦戦し、サウサンプトンへのレンタル移籍も敢行したが、カップ戦ではしばしば勝利の立役者となるなど目覚ましい活躍を見せた。
  同メディアは、「リバプールのように低額の移籍金で選手を獲得すると、大きな失敗に終わることは少なくなる。南野もその一例である。(中略)リバプールでは3年間でリーグ戦合計30試合に出場し、2022年にモナコへ移籍することになった。ここでの移籍金は1290万ポンド(約26億円)で、クラブはしっかりと利益を上げて売却することができた。悪くないリターンである」と、寸評を綴っている。

 なお、同ランキングのトップ10とワースト10は以下の通り。

トップ10)1位モハメド・サラー、2位フィルジル・ファン・ダイク、3位アリソン・ベッカー、4位サディオ・マネ、5位アンディ・ロバートソン、6位ファビーニョ、7位ディオゴ・ジョタ、8位ジョルジニオ・ワイナルドゥム、9位ジョエル・マティプ、10位ルイス・ディアス

ワースト10)36位スティーブ・コーカー、37位ベン・デイビス、38位ドミニク・ソランケ、39位カラム・スカンロン、40位ファビアン・ムロツェク、41位カミル・グラバラ、42位アンディ・ロナーガン、43位アレックス・マニンガー、44位ロリス・カリウス、45位アルトゥール

構成●THE DIGEST編集部

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