ソニーマーケティング、Inter BEE 2024で展示した次世代コンテンツ制作の未来とは[Inter BEE 2024展示レポート]

Creativity Connected ともに”つなぐ” コンテンツ制作の未来へ

Inter BEE 2024にて、ソニーは「Creativity Connected ともに”つなぐ” コンテンツ制作の未来へ」をテーマに、最新の映像技術とソリューションを披露した。

ソニーブースでは、オンプレミスとクラウドを統合したライブプロダクション「Networked Live」やクラウド制作プラットフォーム「Creators’ Cloud」、さらにはバーチャルプロダクション技術など幅広い製品・技術が展示され、未来のコンテンツ制作を強く印象づける内容であった。

各展示コーナーでは、デモやセミナーが行われ、製品の技術的な優位性と、その業界における実際の課題解決にどう貢献するかが示された。なお、セミナーの内容は後日アーカイブ配信される予定だそうなので要チェックだ。以下、各展示コーナーと製品について紹介する。

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オンプレミス/クラウド・ライブプロダクション「Networked Live」


「Networked Live」コーナーでは、オンプレミスとクラウドを組み合わせた最新のライブプロダクション技術が紹介された。LAN、WAN、ローカル5Gなどのネットワークインフラを活用し、効率的で柔軟な映像伝送を実現している。ソニービズネットワークス、およびソニーワイヤレスコミュニケーションズが提供するネットワークサービスも併せて展示され、ワンストップでのソリューション提供の形が示された。

NURO Biz


「NURO Biz」のソリューション説明図

ソニービズネットワークスが提供する法人向け高速インターネット接続サービス「NURO Biz」は、2Gおよび10Gサービスを提供し、高スペック・高品質・高コストパフォーマンスを実現している。また、マネージドVPNサービスやNURO閉域アクセス、AWSへの閉域接続サービスなども提供が可能である。

会場では、メディア・エッジプロセッサー「NXL-ME80」での映像伝送やAWS上のソフトウェアスイッチャー「M2L-X」の操作にNUROアクセスサービスを用いた実演が行われていた。


「NURO Biz」のデモの様子

MOREVE


「MOREVE」のソリューション説明図

ソニーワイヤレスコミュニケーションズが提供する「LOCAL 5G SERVICE PLATFORM」の「MOREVE」のコーナーでは、スタジアムやアリーナ、各種イベント会場において活用できる、高速通信ネットワークであるローカル5G回線を紹介している。また、ソニーグループの多様なアセットや外部パートナーと連携し、顧客の課題やニーズに応じたサービスを開発・提供している。

会場では、幕張メッセに設置されたローカル5Gを活用し、リモートプロダクションユニット「CBK-RPU7」を用いたメディア伝送の実演が行われていた。

CBK-RPU7、NXL-ME80


「CBK-RPU7」


「NXL-ME80」

ソニーが開発した「CBK-RPU7」および「NXL-ME80」は、超低遅延、低ビットレート、高画質を同時に実現する映像伝送ソリューションである。これらの製品には、ソニー独自のHEVCコーデックチップが搭載されており、映像品質を保ちながら効率的な伝送を可能にしている。

特に、NXL-ME80はバージョンアップにより、HD 8系統の映像を1フレーム遅延で処理する超低遅延伝送が可能となった。また、CBK-RPU7はTALLYやリターン、カメラ制御の伝送にも対応し、完全なワイヤレスカメラ運用を実現している。これにより、ライブ番組制作におけるワイヤレスカメラの活用がさらに拡がるものと期待される。

M2L-X


「M2L-X」のGUI

「M2L-X」は、クラウド型のスイッチャーシステムM2 Liveを進化させたもので、ライブ制作ワークフローの柔軟性を高めるために設計されたソフトウェアベースのスイッチャーである。AWS上にM2L-Xを設置し、クラウドを利用したライブ制作の実演が行われた。オーディオミキサーやマルチビューワー、波形モニター、全体監視・制御といったライブ制作に不可欠な機能を、サードパーティーソフトウェアと組み合わせることで、クラウド上でのライブ制作が可能であることを体感できる内容となっていた。今後のバージョンアップで汎用サーバ上での動作も可能となる。

MLS-X1

「MLS-X1」

「MLS-X1」は、スタッカブル対応のライブプロダクションスイッチャーであり、柔軟な構成が可能だ。入出力カードを半分にした構成でも運用できるため、顧客のニーズに応じた最適な規模でのソリューションを提供できる。また、PsFフォーマットでの入出力に対応し、音楽ライブ制作等、幅広い映像制作で利用される映像フォーマットをサポートしている。

さらに、「Virtual Shotobox」にもバージョンアップで対応し、WEBブラウザから簡単に操作が可能で、現場での迅速な対応が求められるシーンにおいても、高い操作性を実現している。

Nevion VideoIPath / Virtuoso


「VideoIPath」「Virtuoso」のデモ

Nevion(ネヴィオン)社は、ノルウェーで10年以上にわたり放送局や通信プロバイダー向けにIPソリューションを提供してきた企業であり、2020年にソニーが子会社化した。今回の展示では、Nevionの主力製品である「VideoIPath」、「Virtuoso」が紹介され、最新のライブシステムの管理とIPメディア変換技術をアピールしている。

VideoIPathは、放送システム全体を一元管理するブロードキャストコントローラーである。NMOS規格に対応し、映像リソースの切り替え(XPT)や機器設定の変更を柔軟に行える。さらに、ユーザーがソフトウェアパネルを通じて簡単に機器を操作できる仕組みが導入されており、細かなユーザー権限を設定することで複数の設備を安全に利用・管理することが可能だ。

Virtuosoは、ソフトウェアによって多様なフォーマットの相互変換を可能にするIPメディアノードである。HEVCやJPEG XSに対応し、今年度中にはSRTにも対応予定だ。さらに、TR-07規格によるTS Over IPでの伝送にいち早く対応しており、最新規格にも柔軟に対応できる。オーディオプロセス機能も強化されており、WEB GUIを使用してフェーダー操作が可能である。展示会場ではこれらの機能の実演が行われた。

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