Final Cut Camera 1.1
Final Cut Camera も小さな変更ではあるが、市場の意見を参考にした良い進化だと思う。
新しい機能
- AppleLog撮影にLUTを適用しHDR/SDRに展開したプレビューを表示
AppleLogで撮影する内容をSDR/HDRに展開し表示する。いわゆるLog to SDR/Log to HDR が行われる。
※ここで言われている「LUT」は一般の方がイメージするものと違う。また現状、別に用意されたLUTを読み込んで適用するようなことはできない。
- 撮影を補助するインジケーター(水準器)の追加
水準器によって、チルトとロール量を表示して水平を保てるようになった。
- AppleLogとHEVCの組み合わせなど
これは一部のカメラAppでは使用できたが、これまでのFinal Cutカメラではできなかった。これで高効率でAppleLogの収録ができるようになった。
その他、対応機種なら4K/120fps対応などある。
動作必要環境
- iOS 17.6以降で動作するiPhone、iPadOS 17.6以降で動作するiPad
※一部機能は、機種に依存する
App Storeでフリーダウンロードができる。
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まとめ
Final Cut Pro 11のバージョンアップは、整数のバージョン数が上がった分「Final Cut Proにしては」大きな進化だ。AI機能の追加、空間ビデオへの対応、メディアエクステンションなど目を引くものも多い。
Final Cut Pro for iPadも大きな変化ではないが、着実な進化だろう。Final Cut Cameraも立ち位置をふまえながらの順当な進化だろう。
人によっては、今回のバージョンアップの内容を残念に思う方もいるかもしれない。近年の競合製品の過多とも言える機能数に比べればその思いも理解もできる。
筆者的にも、Final Cut Pro 11はオーディオ周りにテコ入れをしてほしいし、Final Cut Pro for iPad は for macOS相当のメディア管理の機能は欲しい、さらにキャプションの機能も追加してほしい。ただ、気をつけなくてはいけないのは、何事にも「バランス」が必要だということだ。
むやみにたくさん機能がついても使われないものであれば意味がないし、実用よりセールス要素が優先されたものであれば悲しい。さらに私のような技術志向な人間はどちらかといえば頭でっかちなのでアンバランスで、実用的な思考には欠ける。実際多くの人々が必要なものは「実用的で使える」機能だ。
そんな近年の時世の中、Final Cut Proはバランスを考えた「スマート」な存在であり続けていると思う。今度のFinal Cutファミリーもそういった存在であるだろう。