ロボットアニメに登場するロボのサイズといえば、ビルと並び立つような姿を想像する人は多いかもしれません。しかしロボットの大きさは千差万別であり、最小と最大でその差は驚くほどに違います。
合体を繰り返して最後は桁違いのサイズに到達。「天元突破グレンラガン COMPLETE Blu-ray BOX」(アニプレックス)ボックスアート
【画像】ギリ太陽系くらいならピンとくる大きさかも? こちらも常識の範疇を飛び越えたロボットです(4枚)
規格外のサイズにこそ意味がある?
ロボットアニメの話題の中で、ひと口に「ロボット」といったとき、脳裏にあるその戦う姿はどの程度の大きさでしょうか。
日本のロボットアニメ史上、最大といわれているのは、2009年に上映された劇場版『天元突破グレンラガン 螺巌篇』に登場した「超天元突破グレンラガン」です。そのサイズは全高約1500億光年といわれます。なお、現実世界で人類にとって観測可能な宇宙の大きさ(直径)は現状、約930億光年とされており、それより大きいわけです。もはや大きすぎて全くピンときません。
ラスボスの「アンチスパイラル」と、彼の顕現した姿である「超グランゼボーマ」が、物質を超越した概念のような相手であり、主人公の「シモン」たちも同等の力を得て対抗したため、物理法則とは無縁の存在になっているといいます。
その前の形態である「天元突破グレンラガン」での戦いも、銀河を踏み台にして飛び回るような派手なもので、スケール感が違いすぎて「大きいほど的になりやすい」という欠点など関係ありません。相手もケタ違いすぎて、規格外なサイズにならないと太刀打ちができなかったのです。
一方、最小サイズの戦うロボットとしては、1999年にTV放送された『小さな巨人 ミクロマン』の「ミクロマン」や、1981年放送の『黄金戦士ゴールドライタン』に登場する主役メカ「ゴールドライタン」の名前があがります。いずれも約10cm前後の手のひらサイズではあるものの、「ミクロマン」はロボというよりも「メカニカルな姿かたちをした宇宙人」と表現するほうが正確であり、また「ゴールドライタン」は戦う際に30mもの大きさに巨大化することを付記しておきます。
その点で、最小サイズで戦うロボとなると、もしかするとアニメ「ダンボール戦機」シリーズの「LBX」などが挙げられるかもしれません。全高15cmほどで、手のひらサイズより少し大きいとはいえ、圧倒的に小型です。子供が専用のバトルフィールドを舞台に遊ぶ対戦ゲームに使われる小型ロボットであり、「戦うロボ」という観点にも一応、適っているといえるでしょう。
とはいえその性能は、おもちゃの域を超えています。例えば2011年放送のシリーズ1作目『ダンボール戦機』では、主人公「山野バン」の操作する「オーディーン」と、ライバル「海道ジン」の「プロトゼノン」が、協力して時速300km前後の速度で走るリニアモーターカーの暴走を停止させる場面があります。もはや兵器として十分に通用するレベルです。
最大、最小と見て、では戦うロボットの一般的なサイズはどの程度になるのでしょうか。その思い浮かべる姿は千差万別でしょう。ただ、ひとつ留意したい点として挙げたいのが、印象と実際(設定上)のサイズは意外と違うことがあるということです。
たとえば新劇場版の「エヴァンゲリオン初号機」は、諸説あるものの一説によると全高80mといわれます。「ガンダム」や「マジンガーZ」が全高18mなので、その巨大さがうかがえます。しかし、そこまで大きい印象はないのではないでしょうか。
これはおそらく、舞台となる「第三新東京市」のビル群に理由があります。それらと比較した際の印象で初号機を認識しているため、さほど大きいという印象がないのでしょう。つまりエヴァンゲリオンが低いのではなく、周りのビル群が相応に高い摩天楼だったのです。