「復活祭」で初めて見た日本公演の映像
復活祭のメイン会場だった九段会館
開場時間よりかなり早く現地に着くも、すでに長蛇の列ができており、その客層はコンプリートのフィルムコンサートの客層より少し若く、マニア度は低い一般的なファンという印象。だが、開場後の売店の雰囲気に圧倒されてしまった。机の上に並べられた豊富なバリエーションのグッズ、それに群がるファンがメモを片手に買い物をしており、その光景に驚き、初めての復活祭に気後れしてしまった。ポスターや生写真のほか、紙袋や缶ペンケースや下敷き、ファイルなど文房具が充実しており、今思えば学生向けのグッズが充実していたように思う。
上映された映像で覚えているのは、6月30日版の日本公演とEHエリックのインタビュー。前々回、このコラムで初めて日本公演の映像を見たのは『ザ・ビートルズ!あなたが選ぶ不滅のベストヒット20!!』と書いたが、それは記憶違いで、所見はここだった。海賊盤で音源は聞いたことがあったので、ノリのよくない演奏であることは知っていたが、ポールの不安定なマイクのことはこのときに初めて気づいた。それを気にしていたらあっという間に35分経っていたという印象。上映後、司会の浜田哲生氏が「ポールは不安定なマイクを何度触ったでしょうか」と客席に問いかけ、「数えた人がいるんです」と言って答えを教えてくれた(回数は忘れてしまったが)。そんな感じで、映像前に浜田氏が現れ解説をしてくれるのが印象的だった。
(広告の後にも続きます)
会場一番乗りのボランティアスタッフ
83年1月開催の復活祭の内容告知
当時「復活祭」は春、夏、冬に開催されていた。すっかりファンになったわたしは、翌年1月の「冬の復活祭」にも参加(会場は同じく九段会館)。ここで初めて映画『ヘルプ!』を見た。待望の『ヘルプ!』だったものの、いかんせん画像が粗く(全体に暗く赤い印象)、カラー作品の魅力は伝わってこなかった。また字幕も読みづらいため、演奏シーンや曲が流れるシーン以外はあまり楽しめるものではなかった。『ヘルプ!』の良さがわかるのはのちに正規ビデオがリリースされるまで待たねばならなかった。ほかにはウイングスの『バック・トゥ・ジ・エッグ』フィルムの全編を初めて観た。これはよかった。
2回目ということもあり、その場の雰囲気にも慣れ、グッズを多数購入することができた。その後もファンクラブの会員にはなることはなかったが、86年春まで復活祭に毎回参加して、映像を鑑賞し、グッズを買い漁っていた。毎回、会場に一番乗りしていたので、スタッフの人からイベントの手伝いをお願いされることもあった。
条件は欲しいグッズをひとつもらえるというのと座席の確保。何を手伝ったのか覚えていないのだが、きっと列の整理やグッズの運搬だったのだろう。そういうことが2、3回あったと記憶している。
83年春の復活祭の開催内容告知