11・17名古屋大会のGHCヘビー級選手権試合「(王者)清宮海斗vs杉浦貴(挑戦者)」に向けた会見が14日、都内で開かれた。「引退を考えるほど圧倒する」という清宮発言に激怒した杉浦は、久々に殺気をみなぎらせながら「息子超え」を見据えた。
齋藤彰俊引退興行のメインに据えられたGHCヘビー級王座戦。決戦3日前の調印式で杉浦は怒っていた。
きっかけは最後の前哨戦となった11・11『MONDAY MAGIC』での清宮発言だった。「もう杉浦さんから吸収するものはない。杉浦さんが引退を考えるぐらい圧倒して防衛する」。面と向かってそう言われた。
それだけにピリピリムードで調印書にサイン。54歳でも驚異のコンディションを保ち続ける杉浦は「自分自身、引退っていうことをこれっぽっちも考えたことも思ったこともない。他人から引退っていう言葉を言われるほど腹立つことはない」と不快感をあらわにすると、「おい、小僧。NOAHで24年間やってきたプロレスラー・杉浦貴をナメんなよ。分かったか?」と殺気をみなぎらせながら通告した。
王者・清宮も動じない。清宮の成長過程で杉浦は不可欠な存在だった。強さを求めて師事した時期もあれば、初めてGHCヘビーを獲った試合の相手も杉浦だった。だからこそ「自分にとって杉浦さんは親父のような存在」と語ったが、「ただ、もう杉浦さんのすべて吸収しました。来年25周年を迎えるNOAHを若い力で引っ張っていくために、圧倒的な差をつけて、引退を考えるぐらいの差をつけて倒します。名古屋で世代交代します」と改めて面と向かって通告。史上初のGHCヘビー&N-1 VICTORY同時制覇を成し遂げ、現NOAH“不動の中心”としてのプライドと責任感を発散させながら、敬意を込めての圧倒宣言を放った。
先輩として、兄貴分として、そして“親父”として、清宮に背中をみせ続けてきた杉浦だが、その清宮に殺気をみなぎらせながら挑む日が来た。「こういう日が来ると思って昔は過ごしてきたけど、その日が来たんだなっていう気持ちもある。うれしい気持ちもあるかもしれないけど、いざなってみたら悔しい気持ちの方が強いね」。そう語った杉浦は「俺は息子の背中を追いかけてる。息子超えだよ、今度の試合は」と自らテーマを決めた。
そして齋藤彰俊引退興行の“メインイベント”に据えられた意義も大きい。
「齋藤さんの引退大会のメインを任せてもらったというところに、試合で何を見せるか意味があると思いますし。大阪で齋藤さんと戦って、齋藤さんの魂というのを自分も感じさせていただいたので、その部分も試合で見せながら、NOAHの未来は明るいなって思っていただける大会にします」(清宮)
「齋藤さんにNOAHは大丈夫ですよっていう試合を見せたいと思ってるし、NOAHを安心して今後見守ってください。そういう気持ちが強い」(杉浦)
殺気をみなぎらせる親父か、堂々と受けて立つ息子か。齋藤に捧ぐ魂の熱闘の行方やいかに。
【会見の模様】
▼杉浦「こないだの新宿FACEの前哨戦の試合後に、引退を考えるほどのなんちゃらかんちゃら言われたけど、自分自身、引退っていうことをこれっぽっちも考えたことも思ったこともなくて。他人から引退っていう言葉を言われるほど腹立つことはないね。おい、小僧。NOAHで24年間やってきたプロレスラー・杉浦貴をナメんなよ。分かったか? 以上」
▼清宮「清宮です。自分がNOAHに入って20歳のときに強くなりたいと弟子入りをさせてもらったのが杉浦さんです。その強さに憧れて一番NOAHで背中を見させていただきました。なので自分にとって杉浦さんは親父のような存在です。ただ、もう杉浦さんのすべて吸収しました。来年25周年を迎えるNOAHを若い力で引っ張っていくために、圧倒的な差をつけて、引退を考えるぐらいの差をつけて倒します。名古屋で世代交代します」
――杉浦選手から「人から引退を言われるほど腹立つことはない」、「ナメるな」と言われたが?
▼清宮「ナメて引退考えるぐらいっていう言葉を使ったわけではないですし、自分としてはやっぱり杉浦さんの強さっていうのを背中を見て感じてきたからこそ、もう大丈夫だよって。俺がいるからNOAH大丈夫だよって気持ちで言いました。ナメてるわけじゃないです」
――清宮選手の引退発言によって姿勢が変わったように感じるが、今のチャンピオン清宮海斗をどう見ている?
▼杉浦「チャンピオンとしてはすごい認めると言い方もあれだけど、チャンピオンなんだから俺より先を走ってると思うし、俺は息子の背中を追いかけてる。息子超えだよ、今度の試合は」
――かつて壁として立ちはだかったこともあるが、その存在に絶対に勝ちたい、負けないという思いで挑むのはどんな気持ち?
▼杉浦「変な言い方になるかもしれないけど、こういう日が来ると思って昔は過ごしてきたけど、その日が来たんだなっていう気持ちもある。うれしい気持ちもあるかもしれないけど、いざなってみたら悔しい気持ちの方が強いね」
――齋藤選手引退興行でのタイトルマッチ、どんな気持ちで挑みたい?
▼杉浦「俺は齋藤さんに対してはホントに…それこそ、さっきこいつが言ったように、NOAHは大丈夫ですよっていう試合を見せたいと思ってるし、NOAHを安心して今後見守ってください。そういう気持ちが強いです」
――齋藤選手引退興行のメインで戦うが、どんな心持ち?
▼清宮「齋藤さんの引退大会のメインを任せてもらったというところに、試合で何を見せるか意味があると思いますし。大阪で齋藤さんと戦って、齋藤さんの魂というのを自分も感じさせていただいたので、その部分も試合で見せながら、NOAHの未来は明るいなって思っていただける大会にします」