「牛タンのその焼き方もったいない」上タン・特上タン…本当にコスパがよいのはどれ?“意外と知らない”タン塩の焼き方・選び方を焼肉のプロが解説の画像一覧

自分の好きな部位を好きなように焼いて食べることができる焼肉。せっかくなら美味しく食べたいと思うが、部位ごとに上手な焼き方は意外と知らないものです。

そこで今回は食べ放題焼肉店『焼肉きんぐ』で焼き方や食べ方を教えてくれる「焼肉ポリス」を教育する肉のプロ、香取和樹さんに「タンの上手な食べ方」を教えてもらいました。

牛タンをもったいない焼き方していませんか?

牛タン(イメージ写真)

牛タンといえばすぐに焼き上がることもあり、多くの方が焼肉屋で序盤に頼むメニューではないでしょうか。香取さんによると、より美味しく食べるためのコツがあるのだそう。

「牛タンは塩胡椒で片面に味付けされているものが多いと思いますが、何も考えずに焼くと少しもったいないです。お肉をお皿からスライドさせて網の上に乗せて塩胡椒がかかった面が見える状態で焼く方が多いと思いますが、お肉を焼くと水分が出てきます。特に薄切りの牛タンは水分がお肉の上部まで到達しますから、裏返した時に、塩胡椒が水分と一緒にこぼれてしまいます。そのため、お店がベストな味付けで出していたとしても本来の意図とは違う味になってしまっている恐れがありますね」(香取さん)

まさに牛タンはその焼き方をしてしまっていた気がします。ではどのように焼けば塩胡椒をこぼさず食べることができるのでしょうか。

「塩胡椒がついた面から焼きましょう。お肉表面の水分で塩胡椒はちゃんとくっついてくれていますから、意外と焼く際に裏返しても落ちにくいですよ」(香取さん)

そうなのですね……なんとなく「落ちるのでは」と試したことがありませんでした。それでは分厚いタンの焼き方はどうでしょうか。

「厚切りタンはサックリとした食感を楽しむことができる一方で、焼きすぎると硬くなりやすいです。厚切りタンは薄切りタンと比べてサシや脂が多いため、じっくり焼いた方が香ばしさが出て美味しくなります。まずは中火でしっかり両面に焼き目をつけ、その後火力の弱い場所でゆっくりと焼いてみてください」(香取さん)

火が通っているか不安な時はタンの厚さに注目すると良いのだそう!

「2~3mm程度にスライスされているタンであれば、片面にしっかり焼き目をつけるだけで7~8割は火が通っています。その後裏返して残りの1~2割だけ火を通せばOKです。コリコリした食感と旨味を楽しむためにも焼きすぎない方が美味しいと思います」 (香取さん)

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タンの上手な選び方は?

牛タン(イメージ写真)

タンを注文する際、「タン塩・上タン塩・特上タン塩」など種類が多いとどれがベストチョイスか迷ってしまいます。どのような観点で選べば良いのでしょうか?

「タン先に近いコリコリした赤身のお肉が多いのがタン塩として提供されることが多いです。逆にタンらしいサクッとした食感とサシの甘味が感じられるのがサシの入った白っぽい部分の上タンや厚切のタンとして提供されることが多いですね。

コストパフォーマンスが良いのはもちろんお店や状況にもよりますが、赤身が強いコリコリした食感の部分のタン塩です。比較的お求めやすい価格で提供されていることが多い印象です」

なるほど……好みもあると思いますが、コスパを意識するなら赤身の部分がオトクなんですね。

「ただし、赤身部分は焼きすぎてしまうと、ちょっと硬さを感じてしまうと思うので、まずは片面にしっかり焼き目をつけたら、 裏は火が通る程度で食べるのがおすすめです」(香取さん)

なじみのある牛タンだけに、「なんとなく」の思い込みで焼いたり注文したりしていました。これからは教えてもらったコツを意識してさらに美味しくタンを楽しみたいと思います。

取材・文/松本果歩