「天は二物を与えず」という諺があるが、サッカー界の英雄として名を馳せたディエゴ・フォルラン(ウルグアイ)には当てはまらないようだ。
2019年に40歳でプロサッカー界から身を引いたフォルランだが、今年11月13日に行なわれた地元の「ウルグアイ・オープン」(11月11日~17日/ウルグアイ・モンテビデオ/クレーコート/CH100)」で、なんとプロテニス選手としてデビューを飾ったのである。
サッカーウルグアイ代表の一員として2010年南アフリカワールドカップで得点王タイとなり大会最優秀選手にも選ばれたこともあるフォルラン。その経歴は華やかで英国のマンチェスターユナイテッドをはじめ、スペインのアトレチコマドリー、イタリアのインテルなど世界屈指の名門クラブで点取り屋として存在感を発揮し、日本のセレッソ大阪にも所属して人気を博した。
そんなフォルランはサッカーはもちろん、テニスに関しても幼少期から抜け出た才能を示しており、プロテニス選手になることを勧められたこともあったという。それゆえか、プロサッカー選手引退後はテニスをする機会も自然と増え、昨年7月にはテニスの国際大会に出場しており、今年6月にもペルーで行なわれたITF(国際テニス連盟)の「MT1000リマ2024テニストーナメント」(45歳以上対象)に参戦して3回戦進出を果たしていた。
そうして迎えた今回の「ウルグアイ・オープン」である。大会グレードはATP(男子プロテニス協会)ワールドツアーの下部大会だが、出場選手はこれからトップを目指そうと闘志を燃やす世界100~200位台の若手など曲者が顔を揃える。そんな戦いの場に主催者推薦というかたちで姿を現したフォルランは、元世界49位のフェデリコ・コリア(アルゼンチン/現101位)と組んでダブルスに出場した。
現地13日に実施されたボリス・アリアス/フェデリコ・ゼバロス(ボリビア)との1回戦は、立ち上がりこそ互いにサービスをキープするも、先にブレークを献上したフォルラン組が徐々に引き離されて第1セットを1-6で失うと、続く第2セットも自力で勝る相手に苦戦を強いられ2-6とされ、記念すべきプロデビュー戦は47分で幕が下ろされた。
だがフォルランには負けた悔しさよりもプロのステージで試合ができたことへの満足感のほうが大きかったようだ。米メディア『ESPN』他によると、ホームの大観衆の大声援を受けて戦ったフォルランは試合後、「とても楽しかった。僕らにとって難しい試合になる可能性が非常に高いことはわかっていた。だから、少なくとも嫌な思いをしないように、そして楽しめるように準備をしてきた。スタジアムを埋め尽くしてくれた全ての人々に感謝している」とうれしそうに語ったという。
構成●スマッシュ編集部
【動画】サッカーの名手フォルランがテニス選手として挑んだウルグア大会ハイライト
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