スウェードが持つふたつの優れた機能性。

その1。表革に比べて柔らかい。

表皮を1層目とすると2層目にあたる銀面を起毛させたのがスウェードであり、表革に比べて柔らかく、革靴においては履き馴染みが良いのが特徴。さらに毛足の存在によって革がひび割れを起こしにくく、耐久性も高い。

その2。表面積が大きく撥水性が高い。

雨の多い英国で重宝されたように、撥水性が高い。毛足があることで革の表面積が表革よりも大きいため、水の侵入を防ぎやすいのだ。さらに、防水スプレーを吹きかければ、まったくといって良いほど雨粒を通さない。

(広告の後にも続きます)

英国靴好きは持っておきたいスコットランドの伝統靴・ギリーシューズ。

日髙さんが所有する茶スウェード靴のなかでもとりわけ目を引いたのが〈ワールドフットウエアギャラリー〉と〈ぺルフェット〉の別注によるギリーシューズ。狩猟や民族舞踏用に作られたというスコットランドの伝統的なデザインで、タンがないのが特徴。英国の伝統的な柄で、自身の出自や所属を示すタータンチェックのソックスが見えるように設計された独特のデザインは、茶スウェードの柔らかな表情ともマッチする。

(出典/「2nd 2024年12月号 Vol.209」)