滑ることに特化したアークテリクスのフリーライドモデル|ARC'TERYX SABRE RELAXED ANORAK&PANTS

極寒カナダの雪深い山域で生まれたアークテリクスのフリーライドカテゴリー今季イチ推しが、このアノラックモデル。リラックスと見せかけて、滑りは本気。そんなライダーのスタイルを外から内からプッシュする1着だ。

高機能アノラックが満を持してアップデート

北米カナダの湿潤多雪な西海岸、コースト山脈で生まれた山岳ギアブランド、アークテリクス。その気象条件が島国日本と似ていることから、国内の登山家やガイドからも厚い信頼が寄せられる。

スノースポーツウエアは、3つのカテゴリーに分けられ、ユーザーは遊び方やスタイルに合わせて、モデルをチョイスできる。その3つとは、ツーリング、フリーライド、リゾートだ。そのフリーライドカテゴリーで中核を担うセイバーシリーズに、今季もアノラックモデルがラインアップ。その名の通り、ゆとりのあるリラックスフィットで、リフト、ライド、ハイク、レスト……あらゆるシーンを想定して、快適に過ごせるスペックを搭載している。

防水透湿メンブレンには、薄くて軽いゴアテックスePEを採用。激しく動いてもムレを逃し、サイドジッパーとピットジッパーを多用すれば、ハイクアップも快適に。活用温度域が広いので、厳冬期から春先までシーズンを通して長く着られるセットアップとなる。

アノラックの特徴であるフルレングスのメインファスナーがフロントにないことは、より生地の機能性を活かせるということ。つまり、防水性、透湿性を高めながら、止水ファスナーのゴワつき感を抑えて、軽量化、コンパクト化にも一役買う。また、大容量のカンガルーポケットが特徴的で、デザインのアクセントとなっている。

「ハイクアップのとき、バックパックを下ろすことなく、体から外したゴーグルやグローブ、ビーニーをここに収納できます。内側にモバイル用ポケットがついているので、スマートフォンも誤作動なく携行できる便利な一気室ポケットです」

アークテリクスの生まれ故郷カナダでスキーバムライフを送ってきたアークテリクス・サポートライダー中西太洋も、アノラックに魅了されたひとりだ。

表生地には厚手の200デニールリサイクルナイロンを採用し、防寒性、耐摩耗性といったプロテクション性を高めている。吹雪くリフトや稜線、木々が密集したツリーランなど、いかなるときにも安心感を与えてくれる。一方、ePE メンブレンが薄くしなやかなので、ゴワつかない。関節部に立体裁断を設けているからターンへ繋げる体の動きを妨げることなく、パフォーマンスを引き出してくれる。つまり、体にあったサイズ選びが重要というわけだ。中西は着用感をこう話す。

「ゆったりとワイドなシルエットが好みの人は、サイズを上げて、シルエットを崩しがち。でも、このセイバーリラックスは、適正サイズで、綺麗なワイドシルエットを提供してくれます」

以下はジャケットとパンツともに共通する機能となる。ポケットはボトムにマチが付けられた大容量モデルを採用。ICチケットを入れるRFIDパスがそれぞれ左肩と右腰に備わる。RECCO®リフレクターを内蔵し、海外でのSEARCH&RESCUEに対応する。

ライバルに差をつけるちょっとユニークなセットアップで、BCもゲレンデも真剣に楽しみたい欲張りな滑り手に送る1着である。

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中西太洋のインプレッション

ウィスラーでのスキーバム生活を経て、2008年から札幌を拠点に活動。ホームマウンテンは「テイネハイランド」。映像作品”レキシコン”での活躍も記憶に新しい
@taiyonakanishi

サイドジッパーをオープンにすれば、スムーズに脱ぎ着ができます。生地が厚手になったことで、防風性がアップし、ヤブや搬器による耐摩耗性もあるため全体的に安心感があります。一方で、立体裁断だから動きやすく、ピットジッパーとサイドジッパーを駆使すれば汗冷えも軽減できます。リラックスフィットでワイドだけど、シルエットが崩れない綺麗なカッティング。いつもパンツのみLサイズを選んでいるけど、これなら上下MサイズでOK。ときどきBCに行きつつ、おもにリフトアクセスの滑走を楽しみたい人にオススメです。