何もかも揃っているような東京に住みながら、関西でいただく食事はなんであんなにうまいのか。そんな気持ちにかられて、先日、神戸、大阪、京都を食べ歩きしてきました。 どの店も本当に良かったので、おばさんの井戸端会議風にここで披露させてください。紹介する店のテーマは「あれ? 観光地なのに外国人がいなかった?」。
京都の夜は『会館飲み』で酔いしれる
こんな風情漂う建物ですが、中で立てなくなるまで飲むのが快感。肉の店が多く、立ち飲み、恋の予感がしてなんだかいいですね
京都市内の『会館飲み』をご存じでしょうか。京都市内ある建物に、複数店舗の居酒屋がひしめき合う、元祖『バルチカ03』(あくまで執筆者の主観です)でしょうか。
もしくは東京都内にもちらほらある『横丁』でしょうね。恵比寿とか、虎ノ門にもあるやつ。この会館が京都市内にはいくつか点在しています。
私が立ち寄ったのは五条に今年オープンした『湯浅会館』。大正時代の建築物を使っているそうです。中には6店舗ほどの店があり、立ち飲みもあります。
ちなみにこの日、18時オープンに向かったのですが、予約なしでは入れない店もありました。狙っている店は、あらかじめ予約した方がいいですね。
入店したのは『角打ちと麺 ばんさん』。すみません、酔っ払って入店したので、写真が全くないのですが、ドリンクの一部がセルフで注げるシステムでした。
ということは、ワインをグラスの表面張力ギリギリまで注いでも、なんら罪はないという、またしても酒飲みにとってサンクチュアリのような店。
会館飲みの“醍醐味”は…
この日は京都在住の友人と飲んでいたのですが、
「この会館はな、新しいからきれいなほうやで。他の会館は男女混合のトイレだったり、古くて汚いんよ。でもそれがいいんだよね」
と、アドバイスを受けました。新宿のしょんべん横丁(新宿西口思い出横丁)みたいなもんですかね。
全店舗、たまたまなのか、外国人観光客の姿も英語メニューもありませんでした。10月末のことです。もうこのエッセイが世に放たれる頃には、勘のいい方たちにバレているかもしれませんね…。
(店データ、価格などは編集部の調べに基づきます)
(小林久乃/コラムニスト・編集者)