加工食品ばかり食べる人は要注意…赤身肉が大好物な人に知ってほしい理想的な食事の鉄則

「ウェルネス(Wellness)」という概念をご存じだろうか。ヘルス(Health)が主に体の健康を意味するのに対して、体の健康だけではなく精神的にも健康で人生に前向きな状態がウェルネス。このウェルネスのために欠かせない要素の一つが食事。何をどう食べればいいのか。シリーズ120万部『ゼロトレ』著者の石村友見さんが、「体」と「心」と「つながり」という3つの観点から健康と幸せを世界最先端の科学的データなどから解説した『Life is Wellness 「健康な生き方」の科学』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けする。

「制限する」から「摂り入れる」へ

「健康のためにダイエットしなくちゃ」とよく耳にする。この場合のダイエットには「制限」というニュアンスが込められている。特に食べ物については「食べたいものを我慢する」ことで肥満から脱出しようとするのが一般的だ。

しかし、ダイエットの本来の意味は異なる。この言葉の起源はギリシャ語の「diaita」。これは英語で、

Way of Life

「生き方」という意味だ。食べ方であり、生活習慣であり、自分の養い方でもある。ところが、現代のダイエットの概念は禁止、フラストレーション、苦痛、飢餓、体重減、おいしくないご飯などのネガティブな意味合いが強い。そして何より「制限」を想起させる。

これでは「なりたくない。やりたくない」のアンウェルカム・ループからの脱却はできない。では、どうすれば「なりたい。やりたい」のウェルカム・ループを作ることができるのか。

そのためには「制限する」というマイナス方向ではなく、「摂り入れる」というプラス方向に向かうことだ。何を摂り入れるかというと、「栄養」だ。

ジャーナリストでカリフォルニア大学教授のマイケル・ポーランの『The Omnivore’s Dilemma(雑食動物のジレンマ)』という著書は、ニューヨーク・タイムズ・ブックレビュー誌が選ぶ年間ベスト10冊に選ばれたこともある名著だ。マイケル・ポーランは、ウェルネスへの道として著書の中でこう書いている。

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「加工度の低い植物」を

「Eat food, not too much, mostly plants.」
(食べ物を食べる。食べすぎない。主に植物を)

これが「人間が最大限に健康であるために何を食べるべきか」という信じられないほど複雑で混乱しがちな問題に対する答えだとしている。

この言葉を少し分解してみたい。

まず「食べ物を食べる」。何を当たり前のことを……と思われた読者もいると思うが、じつはとても重要な指摘なのだ。これは「加工された食品を食べるのではなく、新鮮な食べ物を食べなさい」という意味だ。

次に、「食べすぎない」。これもシンプルな言葉であるが、とても重要だ。私たちは、とにかく食べすぎている。というより、わざわざ「食べすぎる」ように行動していると言ってもいいだろう。

最後に「主に植物を」。おそらく、この言葉は私たちにとって最も重要であり、「何を食べるか」ということの答えでもある。

食べるのは「加工度の低い植物」。メインディッシュとして野菜、果物、豆類、全粒穀物を食べる。全粒穀物とは精白していない穀物のことで、代表格は玄米。パンやシリアル、クッキーにも全粒穀物を使った食品はたくさんある。

新鮮な野菜は、大量のビタミンと数種類のタンパク質を含み、脂肪はほとんど含まない。ブロッコリー一房ならタンパク質が5グラムで脂肪はほとんどない。

果物は炭水化物、ビタミン、ミネラルが豊富で、脂肪をほとんど含まない。バナナ1本は103カロリーで脂肪はほとんどない。

ポイントは「加工度の低い植物」であること。食物というと「カロリーはいくつか」ということに関心が向きがちだが、木から摘み取ったリンゴと、加工したリンゴジュースのカロリーはさほど変わらないが、後者は多くの栄養素や繊維が取り除かれている場合がある。これでは、栄養素が少なく、カロリーだけを摂っていることになる。