今年7月、Xに投稿された「アイドル×看護師×ママの三刀流」の自己紹介が話題になった河合風花。2017年にアイドルグループ「READY TO KISS」を卒業し、2023年3月に「Veuns Parfait(ヴィーナス・パルフェ)」のメンバーとして復帰。ママで看護師という多忙な生活がありながら“35歳のアイドル”という険しい道を選んだ経緯や、彼女の心情などを聞いた。
アイドルを引退して看護師を選んだ理由
――「平成元年生まれ 35歳のヤバすぎるアイドル見つけました。アイドル×看護師×ママの三刀流なんだって!!」今年7月、Xに投稿した自己紹介が話題になりました。
河合風花(以下、同) アイドルだけどママであることを投稿するのは勇気が必要だったんですが、批判的な意見はほとんどなくて。
「35歳の同い年でアイドルやっているコがいるんだ!」「うちの嫁と同い年なのにすごい!」など、応援してくださる方々が想像以上に多くてびっくりしました。
――アイドルグループ「Veuns Parfait」のメンバーで看護師としても働き、2歳のお子さんがいるママである河合さん。看護師のお仕事だけでも大変じゃないですか?
アイドルを始めた頃は小児科病棟だったので両立が難しく……、美容系のクリニック勤務に変えました。
平日の昼間にアイドルのレッスンがあるので週3〜4のシフト制、時短で働かせてもらっています。ライブは土日のどこかに入れますし、いざとなったら有給も使えるので今のところは問題なくやれています。
――17歳から芸能活動を始め、2014年からアイドルグループ「READY TO KISS」のメンバーとして活動。2017年に卒業と同時に、芸能界を引退しました。当時はどんな思いでの決断だったんですか?
芸能活動を10年区切りで考えていて、27歳になる年でちょうど10年だったんです。当時は30代のアイドルがほぼいない時代だったので、業界的にも「いつまでいるの?」みたいな空気感があって。
それでも続けていく勇気がなかったし、安定した職業に就きたくて看護師になりたいと思ったんです。
――アイドルは恋愛禁止みたいなところがありますが、そろそろ恋愛や結婚がしたいなという思いもありましたか?
その頃は決まった人がいたわけではなかったんですけど、いつか結婚して子供が欲しいとは思っていて。
そのために、自分ひとりでも家族を養っていける力をつけたくて、将来的に続けていける看護師がいいかなと選びました。
高校を中退しているので高卒認定を取ってから看護学校に通って、必死に勉強して3年間ずっと特待生をキープしたまま卒業までできました。
――国家試験に合格し、2020年4月から看護師に。その後、結婚や出産もあり、安定した生活を手に入れた中、どうしてまたアイドルになろうと思ったんですか?
友人の生誕祭にゲスト出演したときにそこに来てくれたファンの方から「もう1回ステージに立っているところがみたいな」って言われたんですよ。
そこから、やっぱり私はアイドルが向いているのかもと思って、元メンバーを集めてレディキス(READY TO KISS)のOG公演を開催したんです。
ひさびさにステージに立つ衝撃はすごかったですね。昔に戻ったような感覚というか、アイドルってこんなに楽しいんだ!って、改めて気づきました。
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ママばかりのアイドルグループを自ら結成
――READY TO KISS のOG公演をきっかけに、2023年3月にアイドルグループ「Veuns Parfait」を結成。河合さんが発起人だそうですね。
OG公演がすごく楽しくて、すぐ事務所の方に「30代の大人ユニット作りませんか?」と相談したら「いいよ。需要あると思うよ」って即答してくださって。
グループを立ち上げるときに、「副業OK、結婚していてもOK、ママでもOK」いうコンセプトでやりたいとお願いして、ママでアイドル経験のある初期メンバーを選びました。
――メンバー全員がママなんですか!?
今はメンバー6人中、4人がママですね。全員が30代で、最年長は39歳。シングルマザーや産休中、出産したばかりなど、いい感じに個性的なママが集まっています(笑)。
――30代の年齢もそうですけど、もう一度アイドルに挑戦するうえで看護師やママであることに不安はなかったんですか?
第一に子供や家庭のことを考えるようにして、日常生活に支障が出るようなアイドル活動はしないって方向性は最初から決めていました。
またすごく悩んだんですが、やはり看護師の仕事は続けていこうと思ったんです。
最近のアイドルって平日も土日も昼も夜もライブしているのが当たり前ですけど、子供がいると難しいので、看護師を続けながらできる範囲で活動を続けようと、それでライブは月に2回だけ土日の昼間に入れてもらうようにして。
――年齢やママであることを隠すこともできるのに、公表してもいけるぞと踏み切ったのはどうしてですか?
私の中にある根拠のない自信ですかね。失敗することもあるんですけど、目標を立てて「いける!」と思いながら進んでいるとうまくいくんですよ。
ファンの方に嘘をつきたくないという思いが強いですし、大事な家族の存在をないことにするのもイヤでした。
――アイドルファンはガチ恋の方が多いので、パートナーやお子さんがいると離れていく方もいそうですが……。
「子供がいるアイドルは応援できない」「結婚しているなんて知らなかったよ」と去っていく方はたくさんいましたが、反対にファンだったコが今はママになって応援してくれるとか、SNSで知ってライブに来てくれる方とかファン層が変わりましたね。
若い方は少ないので、「この現場は落ち着く」って言ってくださる方が多いですね。
――アイドル復帰されるとき、親御さんやご主人などご家族はどんな反応でしたか?
主人からは「やりたいことはやってほしい。でも、家族を優先してね」と言われました。アイドル活動にはあまり興味がなさそうで、月に2回ライブするのが趣味だと思われています(笑)。
うちの親も「またなんかやってるー。今度は何?」みたいな感じで、なんとも思っていないですね。
――ご主人のご家族はどうでしたか? お嫁さんが働くことをどう思っているのでしょうか。
言ってなかったんですけど、バレてしまって……。何も言われないですけど、SNSとかでこっそり活動を見てくれているそうなので反対はしていないと思います。
ママ友にも言ってないですね。保育園の送り迎えはジャージに素っぴんというグシャグシャの状態で行っているので、アイドルの私とは全然違うので気づかないと思います(笑)。