2024年シーズンのMotoGPを締めくくる最終戦ソリダリティGPが行なわれた。Moto3クラスの決勝レースは、CFMOTO Valresa Aspar Teamのダビド・アロンソが勝利した。
スペイン・バレンシアが豪雨による大きな被害を受ける中、MotoGPはバレンシアGPを中止し、最終戦はカタルニア・サーキットでの代替戦が行なわれることとなった。
同地でのレースは5月カタルニアGP以来今季2度目となるが、今回はかなり冷涼なコンディションに。気温12度、路面温度11度という気象条件で決勝スタートを迎えた。
予選では今シーズンのチャンピオンであるダビド・アロンソ(CFMOTO Valresa Aspar Team)がポールポジションを獲得。シーズン最多優勝記録の更新に向けで好位置につけた。
日本人ライダーは古里太陽(Honda Team Asia)が8番手、鈴木竜生(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)が10番手、山中琉聖(MT Helmets – MSI)が15番手からのスタートとなった。
18周で争われるレースはポールシッターのアロンソが抜群の加速を見せ、全くライバルを寄せ付けずにターン1を通過。イヴァン・オルトラ(MT Helmets – MSI)、ダニエル・オルガド(Red Bull GASGAS Tech3)がそれを追いかけた。
アロンソはこのままトップを牽引してトップ集団を小さくしようとしていたが、ライバル達はやすやすとチャンピオンの先行を許さず。3周目にはターン1で一気にオルガド、アドリアン・フェルナンデス(Leopard Racing)、ムニョスに抜かれてポジションを下げ、さらにリズムが乱れたのか一気に6番手まで後退した。
代わってトップを引っ張ることになったのはオルガドだったが、すぐ後方のフェルナンデスがチャージ。ストレートのスリップストリームを活かしてふたりのポジション入れ替えが続いた。
オルガドもフェルナンデスも、トップを走っている時にライバル達を引き離すようなペースを見せることはできず、トップ集団は長い隊列に。序盤にポジションを落としたアロンソも、この集団内5番手周辺を走って静かにチャンスを伺っていた。また古里も8番手で食らいついていた。
アロンソはレースが折り返しを過ぎた10周目に、前を走るライバルが接触したことから労せずポジションをトップ3へ戻した。
フェルナンデスがトップで隊列を引っ張っていくが、アロンソはその背後に接近。残り5周でトップを奪うと、ファステストラップを更新する走りで引き離そうとした。
しかしホームストレートでのスリップストリームがかなり効果的なため、ラスト3周のところでライバル達に追い抜かれてしまう。これでトップは再びフェルナンデスへ戻った。
アロンソは諦めず再びアタックをかけるとフェルナンデスを追い抜いてトップへ浮上。2番手争いが混沌とする中、コンマ2秒ほどの差を開くと、そのままフィニッシュラインを通過し、今シーズン14勝目を7連勝で達成した。なお年間14勝はMoto3、Moto2、MotoGP全3クラスを通じた年間最多勝利記録となる。
2位争いはかなりライダーが入り乱れたバトルとなったが、オルガドが2位を獲得。そしてフェルナンデスが3番手フィニッシュを果たした。しかしフェルナンデスはラストラップのターン1でバランスを崩したあとにコースオフしていて、その後のコース復帰がショートカットだと判断され、3秒のタイムペナルティが決定。その結果11位へ降着した。
そして繰り上げでチームメイトのアンヘル・ピケラスが3位を獲得した。
日本人ライダー達は、山中がラストラップに一時は3番手を走る場面があったが、ライバルとの接触などもありポジションを落として最終的には7番手フィニッシュ。ライバルへペナルティが科された結果、繰り上げで5位となった。古里は7位、鈴木は13位という結果に終わった。