『Historic X-over 2〜新日本プロレス×STARDOM合同興行〜』エディオンアリーナ大阪(府立体育会館)第1競技場(2024年11月17日)
IWGP女子選手権試合 ○岩谷麻優vs渡辺桃×
岩谷が暴走ファイトを繰り広げた桃を返り討ちにして、IWGP女子王座V8に成功。試合後、岩谷は新日本プロレスの1・4東京ドーム大会での防衛戦実現を熱望すると、AZMが挑戦に名乗りを上げた。
昨年4月にIWGP女子王座を獲得した岩谷は、ここまで7度の防衛に成功。王者として新日本×スターダムの合同興行を迎えることになった。挑戦者は極悪集団H.A.T.E.に所属する桃。シングルリーグ戦『5★STAR GP 2024』の公式戦において、自ら持ち込んだバットを奪われて敗北していたが、それに反則だと難癖を付けて挑戦表明。生え抜き同士のタイトル戦がセミファイナルで実現した。
前日にデビュー10周年を迎えたばかりの桃はH.A.T.E.仕様の黒色ではなく、白を基調としたコスチュームで登場。序盤は正攻法で岩谷とせめぎ合う。しかし、H.A.T.E.のセコンド陣が介入すると状況は一変。桃はセコンドとともに反則攻撃を駆使して場外で岩谷を痛めつけた。
しかし、介入を狙った琉悪夏のボックス攻撃を避けて桃への誤爆を誘った岩谷は、トペスイシーダで反撃ののろし。フットスタンプやサッカーボールキックなどで制裁に動く。桃もエプロンでBドライバーを強行して巻き返したものの、岩谷も同じくエプロンでのドラゴンスープレックスで譲らず。リングアウト寸前でどちらもリングに滑り込むと、試合はさらにヒートアップする。
ここでアクセルを踏んだ岩谷はドロップキック、ミサイルキックを立て続けにクリーンヒットさせ、ダイビングボディプレスにつなげる。桃も裏投げ、ダブルニーアタック、ダイビングダブルニーアタックと厳しい攻撃を重ねるが、そのたびに立ち上がった岩谷は雪崩式フランケンから再度攻勢。トラースキック、バズソーキック、トラースキックと桃を蹴りまくり、急角度のドラゴンスープレックスホールドがさく裂した。さらに、ツームストンパイルドライバーからムーンサルトプレスを投下する。
勝負あったかと思われたが、H.A.T.E.の吏南がレフェリーの足を引っ張ってカウントを妨害。無法地帯になると、桃はハイキックで岩谷を蹴り飛ばし、黒いバットを持ち込んだ。しかし、躊躇したすえにバットを投げ捨てると、正攻法を選択して、重たい蹴りを連発。テキーラサンライズからの顔面蹴りを繰り出す。
そして、ピーチランサンライズでぶん投げたものの、岩谷は意地のキックアウト。一転して、投げ捨てジャーマン、飛びつき式リバースフランケン、バズソーキックと猛追に転じた。桃は執念で肩を上げると、奥の手ピーチサンダーで突き刺したものの、岩谷は沈まず。秘密兵器をキックアウトされてしばし呆然となった桃の追撃をかいくぐった岩谷は、二段階式ドラゴンスープレックスで激闘に終止符を打った。
桃の猛攻を受け止めたうえで岩谷が返り討ちにし、IWGP女子王座V8に成功。試合後、マイクを持った岩谷は「渡辺桃、きつかった…。桃は昨日でプロレス10周年なんだってね。10周年おめでとう。そして今日、こんな凄いプレッシャーのある中、バチバチに攻めてくれてありがとう。桃の強さが身に染みてわかりました。これからも敵だけどよろしく」と桃にメッセージを送る。
怒りをあらわにした桃は、「負けて、ありがとうとか、よろしくだとか言われるのが一番ムカつくんだよ、クソアイコン。何が10周年おめでとうだ。てめえは私の10年をもってしても倒せねえんだよ。また10年後、いや、50年後、100年後、てめえのこと必ず超えるからよ。待っとけ、クソが!」と捨て台詞を残してリングをあとに。それでも岩谷は「いつでも高い壁でいるから。待ってるよ」と呼びかけた。
さらに、岩谷は「この試合で勝ったら言いたいことがあった。今年の1・4、出れなくて凄い悔しかった。凄い見下されているような気がした。でも、今日で8度目の防衛成功。来年の1・4はこのベルトを懸けて試合がしたいです」と新春の東京ドーム大会での防衛戦を熱望。「スターダムの上の人たち、新日本の上の人たち、お客さん。今年の岩谷麻優、このベルトの価値上げましたよね? 1・4東京ドーム、出る資格ありますよね?」と猛アピールした。
すると、ここでNEO GENESISのAZMが登場。「1・4って言ってたなあ。その挑戦者、このAZMでどうですか?」と名乗りを上げる。岩谷も想いは同じ。「逆指名しようと思ったのに…。言われる前に出てきちゃった。AZM、随分とお待たせしました。AZMちゃんではなく、AZMとこのベルトを懸けて、1・4やりたいです」と対戦を受諾した。
新日本の取締役でもあるスターダムの岡田太郎社長はこれを見て、即座にGOサインを出し、両者の対戦は決定的に。AZMにベルトを見せつけた岩谷は「1・4、王者・岩谷麻優vs挑戦者・AZM。皆さん東京ドームでお待ちしています」と叫んで気合いを入れた。