一体どうした? 頭をよぎった“アジア杯の悪夢”…豪州戦で圧巻だった日本代表戦士がインドネシア戦でまさかの乱調【W杯最終予選】

[北中米W杯アジア最終予選]日本 4-0 インドネシア/11月15日/ゲロラ・ブン・カルノ・スタジアム

「一体どうしたんだ?」

 記者席で思わず首を傾げてしまった。

 日本代表は11月15日に行なわれた北中米ワールドカップ・アジア最終予選の第5節で、インドネシア代表と敵地ジャカルタで対戦。見事な連係から鎌田大地のクロスが誘発したオウンゴールで奪った先制点を皮切りにゴ―ルラッシュを披露し、4-0で大勝を飾った。

 とはいえ、序盤は予想以上に苦戦を強いられた。GK鈴木彩艶の好守で防いだものの、開始9分に板倉滉が相手FWと入れ替われたところから大ピンチを招くと、その後も立て続けに決定機を作られた。

 やや気になったのが、アキレス腱断裂の大怪我で選外となった谷口彰悟の代わりに3バックの中央に入った板倉のパフォーマンスだ。

 前述のシーンは、試合開始前に振り出した雨の影響でボールがイレギュラーにバウンドした影響だったようだが、その後も1対1で簡単にクロスを入れられるなど、らしくないプレーが散見された。
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 ボルシアMGのDFは、インドネシア戦までの4試合は右CBでプレーしてきた。ただ、6月のシリア戦では3バックの中央を経験しているし、本人も「チームでも3枚でやるときは真ん中をやるし、スムーズに対応できる」と語っていたため、ポジション変更の影響はなかったはずだ。

 10月のオーストラリア戦では、アグレッシブな守備で圧巻のパフォーマンスをしていただけに、その乱調ぶりが心配になった。

 頭をよぎったのが、イランに1-2で敗れた今年のアジアカップの準々決勝だ。明らかに不調だった板倉は、1-1で迎えた後半アディショナルタイムに不用意なファウルでPKを献上してしまい、これが痛恨の決勝点となった。

 その悪夢が思い出されそうな序盤の出来だったが、その後はよく踏ん張った。崩れそうになったが、結局、完封で乗り切った。

 そこがイラン戦との大きな違いだ。冨安健洋も谷口もいないなか、森保ジャパンのディフェンスリーダーを担うのは彼しかいない。19日の中国戦では、またオーストラリア戦のように鉄壁の守備を見せてくれるはずだ。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

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