画像はAIで生成したイメージ
東京・歌舞伎町に位置する、ネイルサロンA。場所柄なのか夜職の女性の来店が目立つ一方、常連の中にはホストクラブに通う女性たちも多いそうだ。
このサロンの経営者が、今回話を聞かせてくれた吉崎実里さん(仮名・39歳)。歌舞伎町で開店して5年ほど経つが、この店にはスタッフに徹底させている、初来店の客に対する確認事項が存在するという。
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「そのお客様がホストに通っているのか。可能であれば、通っている店と担当ホストまで聞き出してもらうようにしています。もちろん、直接的に聞いたりはしていませんが、施術中の雑談の中で、それとなく会話を誘導して、できる限りの情報をスタッフ内でも共有しておくんです」
この店の顧客リストには、「店名・担当名」の項目が存在しており、かなりの確率でその欄が埋まっている。
同店・同ホストの名がそこに記されているのも、決して珍しいことではない。
「オープン当初は、正直言ってあまり気にしていなかったんですよ。お客様から『ホストクラブに通ってて~』とか『好きなホストがいて~』とか、そういう話題をよく耳にするな、くらいの感覚でした」
ホストだけでなくメン地下も要注意?
しかし、開店から2カ月ほど経った頃、その会話がどれだけ重要なものであったのか、吉崎さんは思い知ることとなる。
「うちはそんなに広い店ではないので、ネイリストは隣り合った二つの机にそれぞれ一人ずつという配置です。その日は私もネイリストとして新規のお客様に施術をしていました。もう一人のスタッフの方にも初来店のお客様が来ていました」
二人とも年齢は20代前半といったところで、どちらもギラギラと派手なデザインのネイルを所望。施術中、最初はお互いに我関せずといった様子で、自分のネイリストと軽い雑談をしているだけだった。
「でも、私が施術をしていたA子さんが『今から〇〇ってホスト行くんだけど、これ私の担当の子~』って、空いていた右手で器用にスマホをいじって写真を見せてくれたんですよ。そしたら、隣にいたもう一人の客のB子さんが横目でチラっとその画面を見て、急に激昂し始めたんです」
なんと、偶然にもA子さんの担当ホストに、B子さんも通い詰めていたという。
しかもB子さんは強烈な同担拒否タイプの客で、A子さんに支離滅裂な罵詈雑言を浴びせてきたそうだ。
「『担当降りろ』とか叫んでましたね。あと、自分は本気で付き合ってるし同棲もしてるって主張をしていました。いわゆる枕営業があったんだと思います。A子さんも実は枕を匂わされていたようで、この日にそういう流れになる予感はあったのだとか…」
結局、ホストに不信感を抱いたA子さんが「もう二度と行きません」と引いたことで、なんとか事なきを得た。
しかし、店にはさらなる災難が降り掛かる。
「その担当ホストから店の電話にクレームが来たんですよ。『店の対応が悪かったせいで自分が客を失った』って。A子さんからは連絡先をブロックされ、B子さんからも責め立てられて散々だと。自業自得だと思うんですけどね」
この出来事ですっかり懲りた吉崎さんは、新規客が来る時はなるべく他の客を入れないこと、その時にホストと関わりがあるかチェックすることをスタッフに命じている。
「歌舞伎町に遊びに来る女性をターゲットにした店である以上、事前に知っておくべきであったと今となっては反省しています。最近ではメンズ地下アイドルを推しているかどうかもチェック項目に加わりました。ここも同担拒否の多い界隈なので」
歌舞伎町で起業することを考えている方は、ぜひ用心して欲しい。