北中米ワールドカップ・アジア最終予選の前半戦(5試合)を終えて、日本はグループCで4勝1分の勝点13と断トツの1位だ。順風満帆のように映るが、選手に目を移すと招集されながらも試合メンバーの23人に入れない選手がいる。そう、長友佑都のことだ。
過去ワールドカップに4度出場しており、イタリアのインテルなどでも活躍と実績十分のベテランが、厳しい言い方をすれば戦力として扱われていない状態だ。チームを盛り立てるムードメーカーとしては不可欠だが、23人枠からは漏れる。この現状は不健全だ。
ただ、本人はそれでも代表にこだわっている。今年10月の代表活動時、彼は次のように言っていた。
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「もちろん、選手として出たい気持ちは強いです。この前のサウジ戦、自分がピッチに立っているかのように君が代を聴いて身震いしたというか、やってやるぞという気持ちになったので出場したかったのですが、あくまで僕の目標は次のワールドカップにあります。
まずそのためにはチームが勝たないといけないし、ワールドカップに出場しないといけない。このチームを勝たせないといけない、どんな役割でも。自分の目標や夢を叶えるために、今はどんな立場でもチームのために戦いたいです」
チームのために戦う。いかにも長友らしいスタンスだ。しかし、この状態が続けば仮に日本がワールドカップ出場を決めても、長友は夢を果たせない恐れがある。できれば、最終予選期間中に改めて戦力であることをアピールしたいところだ。ただのムードメーカーで終わらないためにも。
試練が好物の長友ならきっとこの困難も乗り越えてくれるはずだと信じているが、果たして。
文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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