作品において主要キャラが多くなると、物語を取りまとめるのも大変になるというものでしょうが、世の中にはキャラクターの搭乗するメカ15体が合体し主役機になるというロボットアニメも存在しました。想像するだけでも大変そうです。



合体数1位の座を守り続けている「ダイラガー」画像は「超合金魂 GX-88 機甲艦隊ダイラガーXV」(BANDAI SPIRITS) Voltron TM & (C) WEP, LLC. All rights reserved.

【画像】えっ、20体合体!? こちら個性豊かな合体プロセスを見せてくれた思い出の合体ロボットです(13枚)

個性的すぎる合体こそロボットの魅力?

 複数のメカが合わさって1体の巨大メカになる合体ロボットは、70年代から80年代にかけてのロボットアニメを中心に一躍、存在感を放っていました。それぞれ合体方法や合体するメカの数に工夫を凝らして差別化を図っています。

 合体ロボット系の作品は個性が強く、なかには非常に挑戦的なものもありました。その代表例は、1982年に放送された『機甲艦隊ダイラガーXV』の「ダイラガー」です。ダイラガーは驚くことに15機ものメカが合体して完成する巨大ロボットで、「物語のなかで繰り返し合体する主役機」に限定するなら、日本のロボットアニメで最多の合体数を誇っています。

 その合体数の多さがダイラガーの最大の特徴だとして、次に合体数の多いロボットはどの作品なのでしょうか。

 ここでは、ダイラガーのように「ロボットアニメに登場する主役機」で「基本的に人間が乗り、独立した戦力にもなるメカ同士が合体」するロボットに限定し、さらに最終回など登場シーンが限定される1度限りのイレギュラーな合体は除外し、物語のなかで繰り返し合体するロボット、と限定し考えてみましょう。

 自動操縦や人間の乗らないメカを除くため、たとえば6体合体の『六神合体ゴッドマーズ』の「ゴッドマーズ」は、主人公「明神タケル(マーズ)」が乗る「ガイヤー」以外、人間が乗らないメカのため条件に当てはまらなくなります。また『超重神グラヴィオンZwei』に登場する「アルティメットグラヴィオン」も10体が合体しますが、最終回のみなので除外対象となりました。

 そうした条件下で今回調べた限りでは、6機以上の合体ロボットは見付からず、ダイラガーの次に合体数が多いロボットは、5人乗りではないかと考えられます。

 5人乗りの5体合体ロボはいくつかあり、有名どころでいえば1976年放送の『超電磁ロボ コン・バトラーV』に登場した「コン・バトラーV」、1977年放送の『超電磁マシーン ボルテスV』の「ボルテスV」が挙げられるでしょう。こうしてみると、『機甲艦隊ダイラガーXV』の合体数の多さが異質なほど際立ちます。

 なかでも『ボルテスV』はフィリピンで世代を超えて知られているほど人気の作品です。そして、彼の地で実写化された作品が、日本でも2024年10月18日から映画『ボルテスV レガシー』として全国で劇場公開されました。およそ半世紀の時を経て復活を遂げた『ボルテスV』に驚いたファンも多いはずです。

 ちなみに、ロボットアニメという枠から外れ特撮作品に目を向けると、2023年に放送された『王様戦隊キングオージャー』にケタ違いのロボットが登場していました。物語のなかで最強とされるロボット「ゴッドキングオージャー」です。その全力を出すためには、各メカ「シュゴット」にパイロットが乗る必要があり、合体数はダイラガーを超える20機でした。

 初回登場に限り、各メカには主役の「王様」たちと、彼らにつながりのある腹心や民が乗り込みます。人数が非常に多いため、誰がメカに乗っていてどんな役割なのか、分かりにくいかもしれませんが、王様たちが彼らと心を通わせて戦いに決着をつける展開は、大人数だからこそ白熱したといえます。

 最近は脚光を浴びるロボットアニメは減ってきた印象ですが、今後「ダイラガー」を超えるような合体数の巨大ロボットは現れるのでしょうか。