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10月の食品値上げは2900品目と今年最多を記録する中、“物価の優等生”卵の価格も高騰。加えて10月中旬以降、高病原性鳥インフルエンザ感染が確認され始めた。

年末に向けさらなる卵の値上げが予想され、2年連続で“エッグショック”の懸念が高まり始めている。

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2022年10月末から2023年4月上旬までのシーズンは、鳥インフルエンザ感染が26道県84件に上り、殺処分の数は約1771万羽と、全国の飼育羽数の約1割に達し、卵の価格も1.5倍に跳ね上がった。

また、昨年11月から今年4月までのシーズンは、10県で11件発生し、約85万6000羽が殺処分となった。

「前シーズン比は件数約87%減、殺処分数約95%減となり、卵の価格は戻りつつあった。ところが、今年は昨年以上の記録的な猛暑続きでニワトリが夏バテし、産卵数が激減したんです」(全国紙記者)

「JA全農たまご」によると、10月25日時点で東京地区のMサイズ1キロ当たりの平均卸売価格は274円と3カ月連続で上昇している。

「年末に向けて、すき焼き、ケーキ、おでん…といった卵を使う料理は増える。鳥インフル感染がまん延したら、またしてもエッグショックは避けられないでしょう」(消費生活ライター)

「全国のどこで発生してもおかしくない」

10月17日、恐れていた鳥インフルエンザが北海道厚真町の養鶏場の死んだニワトリから今季初めて検出され、養鶏場で飼育している食肉用のニワトリ約1万9000羽を殺処分した。

10月23日には千葉県香取市の養鶏場で今季2例目の鳥インフルエンザが検出され、約3万7000羽を殺処分。同26日には新潟県上越市で3例目、31日には島根県大田市の養鶏場で感染が確認され、約40万羽が殺処分されている。

「11月5日に新潟県胎内市で県内2例目が出て、約35万羽が殺処分された。さらに、宮城県石巻市でも9日に鳥インフルエンザウイルスが確認され、17万羽が殺処分された。政府は『北海道での養鶏場の鳥インフル感染発生は、これまでで最も早い時期。今後、全国のどこで発生してもおかしくない』と指摘しています」(前出・全国紙記者)

折も折、小里泰弘農相は先の衆院選で落選し代わって江藤拓氏が就任したが、こうした政治空白が引き金となり、対応が後手に回らなければいいのだが…。

「週刊実話」11月28日号より