【悲報】娘の職場を初めて訪問した71歳の母、娘のクビが飛ぶレベルの失言をかましてしまう

・母、娘の評価を聞く

「ワイらは何を聞かされとるんや……?」という空気感が編集部全体に充満してはいたものの、思わぬところで超ローカルトークができて母は嬉しかったに違いない。これは「娘の職場見学」ではなく「親孝行」だ。そう考えると少し気がラクになる。

想像より滞在時間が長くなったので、編集長の羽鳥さんと上司のYoshioさんに挨拶させて母を帰らせよう。

羽鳥「娘さん、よく頑張ってくれてます。僕が特に評価しているのは、記憶力がいいところですね。取材からずいぶん時間が経っても、内容を覚えているのは凄いと思いますよ」

母「そうなんです! この子と主人は昔から記憶力がよくて。逆に私と下の娘は何も覚えていないんですけどね(笑)。この子は人に話して聞かせるのも上手で、それも記憶力がいいからなんですかね? 私なんかは話も下手でねぇ……」

私「お母さん、もういいから」

Yoshio「わざわざお越しいただいてありがとうございます。娘さんには普段からよくサポートしていただいて助かっているんですが、なかなか言う機会もなくて。こうしてお母さんを通じて感謝を伝えられてよかったですよ。今日は飛行機で来られたんですか?」

母「まあ、ありがとうございます。私は飛行機があまり好きではなくて、行けるところにはなるべく電車で行くようにしているんです」

Yoshio「じゃ、新幹線で?」

母「はい。私は『ジパング倶楽部』の会員なんですね。あれは65歳以上だと3割引で新幹線に乗れるんです。ただし『のぞみ』はダメ。でもね、『ひかり』もいいものですよ。そりゃ時間はかかりますけどね。のんびり車窓を眺めながら電車に乗るのが私は好きで……」

私「お母さん、もういいから」

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・母、とんでもない感想を述べる

その後も母は急に孫の話を始めるなど若干暴走ぎみではあったが、とりたてて大きな失言もなく、娘の職場見学もとい親孝行は無事に終了。

娘としては「非常に疲れた」という思いがありつつも、母が来たおかげで上司に褒められたワケなので、結果的に連れてきてよかったと思った。編集部の皆さん、母の相手をしてくれて本当にありがとうございました。それじゃ、母を駅まで送ってきま〜す!

ドアノブ「ガチャリ…………」

母「こんなアパートの小さいドア開けたら事務所があって、あんなに大勢の人がギュウギュウで仕事してるなんて……お母さんビックリしちゃったわよ〜!」

事務所を出た瞬間、気絶しそうなほど失礼なことを言い放った母。大急ぎでお断りしておくと、ウチの事務所は決してアパートではない。レッキとした雑居ビルである。アパート発言は鳥取の広大な自然の中で育った母なりの “言葉のあや” だ。

勤めに出た経験がない母は、テレビドラマなどでよくある “大企業のオフィス” みたいなのを想像していたらしい。母に全くの悪気はないものの、この発言が事務所内で飛び出していたら娘(私)はそれなりの窮地に立たされていただろう。あぶないとこやで……!

そういうワケなので、今後母親を職場に連れて行く予定の方はなるべく早めに切り上げることを強く推奨したい。「全員マトモないい人たちで、上下関係がなさそうな職場」と、娘の就労環境に安心した様子で母は鳥取へ帰って行った。いい親孝行にはなったが、『第2弾・父編』の実施予定はない。

執筆:亀沢郁奈

Photo:RocketNews24.