17日放送、日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)で、土屋太鳳演じる百合子と幼なじみの朝子(杉咲花)の不仲・確執の原因が判明し大きな話題を呼んでいる。
■端島の若者達
昭和の高度成長期・1955年ごろの長崎県・端島と現代・2018年の東京を舞台に、そこに住む人々の愛・友情・家族の物語を綴る本作。1958年の端島では鉄平(神木隆之介)と幼なじみの賢将(清水尋也)、百合子、朝子らと、鉄平の兄・進平(斎藤工)、島に移住してきた歌手・リナ(池田エライザ)ら6人の恋愛模様が描かれていく。
4話では、長らく体調を崩していた百合子の母・寿美子(山本未來)が逝去。彼女と百合子・姉の千鶴は1945年8月9日に長崎で起きた戦争の悲劇、プルトニウム型の原子爆弾の投下による被爆者で、そのときに千鶴が幼い命を落としたと明かされた。
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■関係悪化の原因は?
百合子はことあるごとに朝子に悪態をつきどこか冷たい態度をとってきたが、それを不思議に思うリナに、百合子は「あの子が楽しそうにしていると腹が立つのよ」と吐露する。そこから鉄平が百合子と朝子の仲違い・確執の原因を回顧。先述の「被爆」が関係していると判明していく。
あの日、敬虔なキリスト教徒の寿美子は千鶴と百合子を連れて長崎の教会に向かっていた。行きたくなかった百合子は鉄平らと隠れていたが、朝子が軽いいたずら心を出して「はーい」と寿美子に声をかけ、隠れていたのがバレた百合子は渋々、母と長崎に向かい被爆してしまう。
朝子も覚えていないいたずらだが、百合子のなかには「違う未来があった」との思いがくすぶり、どうしても朝子に冷たい態度を取ってしまうのだった。
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■本作のテーマは…
これまでは複雑で淡い恋愛模様を中心に描いてきた本作だが、今回で「戦争」「被爆」を取り扱う「反戦」をテーマとした作品だと強調された。
鉄平の2人の姉、兄を戦争で失った父・一平(國村隼)は後悔し続けており、賢将の父・辰雄(沢村一樹)に対し「あいつの子供は戦争で1人も死ななかった」と行き場のない怒りを漂わせる。若くして亡くなった姉・兄を思い出した鉄平は「俺25歳になったよ」とつぶやく。
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■反戦ドラマとして反響
母の死をきっかけに気持ちを整理、朝子に謝罪し関係を修復した百合子。戦争を受け入れ子供達を失った一平、徴兵され戦争を体験した進平。戦争の悲劇と残された家族の苦悩、それらを乗り越えるべく前を向く端島の人々の姿をまっすぐに描いた今回。
視聴者からは「民放の連続ドラマで、日本の忘れてはいけない歴史と反戦へのメッセージを描く、製作陣の覚悟を感じた回だった」「今日の4話とんでもない覚悟で作られた反戦ドラマだった。土屋太鳳ちゃんの熱演を涙を拭きながら堪能した。戦争は大人の罪、偉い人は戦争で子供を亡くさない、被爆者の戦争は終わらない、神様も仏様も何もしない、罪を犯すのも奇跡を起こすのも人間。野木さんの台詞の迫力たるや」といった感想が寄せられている。
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■第𝟒話「沈黙」
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(文/Sirabee 編集部・サバマサシ)