フォックスはレブロンやコビー級のスター?連夜の大暴れにキングス指揮官は「ノッている彼を1人で止められる選手はいない」<DUNKSHOOT>

 現地時間11月15日(日本時間16日、日付は以下同)、サクラメント・キングスは本拠地ゴールデン1・センターでミネソタ・ティンバーウルブズと対戦。延長の末に126-130で惜敗し、エミレーツNBAカップのグループステージ初戦を落とした。

 とはいえ、キングス最古参で在籍8年目のディアロン・フォックスは、第4クォーターだけで20得点を荒稼ぎ。試合全体で44分29秒プレーし、今季リーグ最多の60得点に7アシスト、3スティールと暴れ回った。

 これまでのキャリアハイ44得点を大幅に更新しただけでなく、シンシナティ・ロイヤルズ時代の1960年にジャック・トワイマンが残した59得点を抜き、球団新記録も樹立。

 キングスは翌16日にユタ・ジャズ戦へ臨んで121-117で勝利。17日を終えてウエスタン・カンファレンス9位の8勝6敗(勝率57.1%)と勝ち越し、首位に立つゴールデンステイト・ウォリアーズ(10勝2敗/勝率83.3%)を3.0ゲーム差で追っている。
  そしてフォックスはこのジャズ戦でも49得点に9アシスト、2スティールと連夜のスコアリングショーを披露し、2日間で一挙109得点を奪取。『ESPN Stats & Info』によると、2日間のスパンでこれを上回る大量得点を残したのは2007年3月22、23日のコビー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ/計110得点)と、それを15回も達成したウィルト・チェンバレン(元ウォリアーズほか)のみだという。

 26歳のフォックスはリーグ最高級のスピードを武器にジャンパーやレイアップ、フローターを使い分け、今季はここまでキャリアハイの平均28.9点に5.0リバウンド、5.6アシスト、1.8スティールにフィールドゴール成功率50.9%、フリースロー成功率84.2%と好調を維持。

 超絶パフォーマンスを披露した得点源について、就任3年目のマイク・ブラウンHC(ヘッドコーチ)はこう称えていた。

「彼は全盛期に入っている。勝利することの重要性、我々が彼に何を求めているのかをよく理解している。彼は点を取れなくてもこのチームを引っ張らないといけない。チームメイトたちのためにゲームを楽にする必要があったんだ。それでフランチャイズ新記録を樹立し、2試合で109得点もしたんだ。信じられないことだ」
  191cm・84kgのフォックスは、一昨季にオールスターとオールNBA3rdチーム入りし、初代最優秀クラッチプレーヤー賞に選ばれてきた。

 アシスタントコーチ(AC)時代を含めて、サンアントニオ・スパーズでティム・ダンカン、クリーブランド・キャバリアーズ時代にキャリア初期のレブロン・ジェームズ(現レイカーズ)、レイカーズではコビー、ゴールデンステイト・ウォリアーズでステフィン・カリー、ケビン・デュラント(現フェニックス・サンズ)を見てきた指揮官は、全盛時へ突入したリーグ有数のスコアリングガードをこう評していた。
 「私は1992年からこのリーグにいる。ステフ、KD(デュラントの愛称)、コビー、レブロン、ティム・ダンカンの傍にいたんだ。そういったスペシャルな選手たちを見てきた。そんな私から見ても、ノリにノッている時の彼(フォックス)を1人でストップできる選手はこのリーグにはいない。彼もそう感じていると思うね」

 キングスには平均22.9点、4.1リバウンド、4.1アシスト、1.7スティールを残すデマー・デローザン、同20.2点、12.5リバウンド、6.6アシストを記録するドマンタス・サボニスもいるのだが、今季はフォックスが例年以上に猛威を振るっていると言えよう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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