5年前や10年前……。少し前にインターネット上で話題になった投稿や動画を振り返って紹介する企画「昔のインターネット発掘!」。今回は、2021年2月にYouTubeに投稿された、走っている車からその進行スピードと同じ速さで後方に飛び降りる実験の動画を紹介します。その体を張った実験が反響を呼んだのか、記事執筆時点までに428万回以上再生され、21万件のいいねを集めています。
まず、その場でジャンプしてみる
動画を投稿したのは、化学工学の博士号を持つ人がさまざまな実験を行ってみるYouTubeチャンネル「The Action Lab」。走っている車の荷台に人が乗り、走行スピードと同じスピードで後方へ飛び降りるとどうなるのかを実験します。もし、車が前へ進むスピードと人が後へ飛ぶスピードがプラスマイナスゼロとなるなら、飛び降りた場所にすとんと落ちることになるはずです。
実験者は、「そうだとすれば電車は駅で停車する必要がなくなり、降りたい人は電車のスピードと同じ速さで後方へ飛べばいい」と冗談めかして言いますが、はたしてどうなるのでしょうか?
まず、比較のための実験として、一定の速度で走っている車の荷台で真上に飛び上がってみます。すると、実験者は荷台の同じ場所に着地しました。これは飛び上がったときに実験者が車と同じスピードで前方に進んでいたからです。
体を張った実験はクールな結果に
次にいよいよ、走る車の荷台から後方へ走って飛び降りてみます。正確に車の走行スピードと同じに走るのは難しそうですが、なるべくそれに近い速度で走ってみるそうです。
車の走行速度はパーキングエリア内を移動するときのようなゆっくりしたものですが、頭にかぶったヘルメットのカメラ視点だと、そこから飛び降りるのはとても怖く感じます。しかし、意を決して走って飛び降りると、実験者は飛んだその場にまっすぐ着地しました。
この結果から、車が前へ進む速度と、人が後へ走る速度が同じだと、プラスマイナスゼロになることが明らかになりました。実験者はニッコリと笑い「これはクールだね」と上機嫌な様子。その後も何度か同じことを繰り返して確認します。
実験者は最後に、高速列車から降りるときも同じスピードのロケットで後方に飛び出せば、列車を止めずに下車できると説明。結果的にスピードがプラスマイナスゼロになるとしても、そんなエクストリーム下車は嫌すぎる……! 危険ですので安易に実験のマネはしないようにしてくださいね。
「問題文が現実世界で実行」
誰もが一度は考えるけれど実行がなかなか難しい体を張った実験に、「これは物理学の教師がこのことを教えるときに、生徒に見せるべき動画だ」「物理学を学ぶ生徒は問題文が現実世界で実行されるのを見て喜ぶだろう」「農場で育ったので、干し草を積んだ走行中の荷車から飛び降りてたけど、物理実験をしていたとは知らなかった」などの反応が寄せられています。
また、「昔のゲームの中には、真上にジャンプすると動いている足場から落ちてしまうものがあるね」と物理法則的には正しくないゲームの挙動を指摘する声も見られました。そう言われると確かに覚えがありますね。
※画像は「The Action Lab」のYouTubeチャンネルより引用
「The Action Lab」の実験動画
※画像は「The Action Lab」のYouTubeチャンネルより引用