漫画家が休載する理由には、いったいどんなものがあげられるでしょうか。怪我や病気、はたまた取材や単行本作業……。そのほか、出塁、春闘、狩猟、さらには人気マンガの展開が「ショック過ぎて」など、漫画家の休載理由は非常にバラエティ豊かです。



画像は、休載理由にツッコミの声があがった、木多康昭先生の『喧嘩稼業』1巻(講談社)

【画像】え…っ? マンガ描いてて何故こうなったの? これが『喧嘩稼業』作者、衝撃の休載理由です

作画作業中に骨折←手じゃないの?

 漫画家が連載をお休みする理由は、実にさまざまです。パッと思いつくものだけでもケガや病気、取材や単行本作業などがあげられますが、それに加えてとんでもない理由で休載する漫画家も少なくありません。

※『呪術廻戦』アニメ化されていない内容に触れています。ネタバレにご注意ください。

 マンガ『ゴールデンカムイ』の作者である野田サトル先生は、これまで数多くのユニークな休載理由を発表してきました。「出塁のため」「春闘のため」などは序の口で、公式X(旧:Twitter)に鹿の写真を添えて「今週のゴールデンカムイは狩猟のため休載です」と発表したこともあります。

 また野田先生はXのプロフィールで「男です」と公言していますが、唐突に「出産のためお休みです」と発表し、「え、出産ってマジ?」「男じゃなかったの?」と一部界隈をザワつかせたこともありました。

 人気格闘マンガ「バキ」シリーズの板垣恵介先生が「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)に掲載した休載コメントも、マンガ好きの間では語り草となっています。『刃牙道』連載当時、編集部から「作者負傷のため」と休載発表があり、それとは別に巻末の作者コメントを通して、先生は「骨折だ。正拳が握れない。休ませてくれ」とファンに語りかけたのです。怪我はともかくとして「正拳が握れない」という理由で連載を休んだ漫画家は、おそらく後にも先にも板垣先生だけでしょう。

 同じ骨折つながりで言うと、『喧嘩稼業』の作者として知られる木多康昭先生の休載理由もなかなか印象的でした。木多先生の場合、休載コメントそのものというより、骨折した「部位」に注目が集まりました。

 2015年7月に更新された「ヤングマガジン」編集部の公式Xによると、先生は「作画作業中に足を骨折」し、原稿作業ができない状態になってしまったそうです。同投稿にはギプスで固定された痛々しい足の写真(木多先生本人が撮影)も掲載されており、ファンからは心配の声が多く寄せられましたが、それと同じくらい「作画作業中にいったい何があった(笑)」「何でそうなる?」「なぜ足なんだよ!」とツッコミの声があがったことは言うまでもありません。

 最近では『トニカクカワイイ』の畑健二郎先生が驚きの休載理由を明かし、話題を集めました。掲載誌「週刊少年サンデー」(小学館)内で、なんと「呪術廻戦の236話がショック過ぎたので、しばらく休載します」と発表されたのです。ちなみに『呪術廻戦』236話では、作中屈指の人気キャラクターである「五条悟」が宿敵「宿儺」に敗れ、死亡しています。

 結局、この休載は1か月ほど続くことになり、ネット上には「他のマンガを1か月も休載させる『呪術廻戦』ヤバくない?」「五条先生の死は他誌の漫画家でも衝撃だったのか(笑)」などと、『呪術廻戦』の影響力の強さを再確認する声があがっていました。五条先生、恐るべし……。