現地時間11月19日に開催される北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第6節で、勝点13で首位の日本代表は、同6で4位の中国代表と廈門白鷺スタジアムで対戦する。
森保ジャパンは15日のインドネシア戦で4-0の快勝を収め、4勝1分で今予選を折り返した。そこから中3日。これまでは2連戦の初戦を木曜日に戦ってきたなか、今回は金曜日に実施したため、スパンが1日短い。さらにジャカルタの高温+大雨という試合環境もあり、疲労はいつも以上に溜まっているに違いない。
思い切ったメンバーの入れ替えも1つの策としてある。ただ、9月の前回対戦では埼玉スタジアムで7-0と圧勝したとはいえ、中国は連勝中で勢いに乗っているうえ、あらゆる面で勝手が違うアウェーでの戦いだ。何より、一戦必勝を掲げる最終予選における森保一監督の起用法を振り返れば、入れ替えは最小限に留まるのではないだろうか。
2015年8月の東アジアカップ(1-1)以来、9年ぶりの敵地での中国戦となるこの年内最終戦は、どんなスターティングメンバーで臨むのか。予想してみたい。
【画像】日本代表が試合会場の廈門白鷺スタジアムで最終調整
フォーメーションは引き続き、攻撃的な3-4-2-1。まずGKは、鈴木彩艶(パルマ)が最終予選6試合連続で務めるはず。4日前のインドネシア戦では、まだ0-0だった序盤に決定機を阻止するビッグセーブを見せ、抜群のインパクトを放った。
3バックは右から橋岡大樹(ルートン)、板倉滉(ボルシアMG)、町田浩樹(ユニオン・サン=ジロワーズ)のトリオが再び担当。インドネシア戦で危ない場面を作られ、やや不安を残したものの、積み上げへの期待値も込みで、継続を予想する。
ここまで3キャップで最終予選未出場の瀬古歩夢(グラスホッパー)、パリ五輪組で前節はベンチ外の高井幸大(川崎フロンターレ)と関根大輝(柏レイソル)の抜擢は考えづらい。
ダブルボランチも変わらず、遠藤航(リバプール)と守田英正(スポルティング)。クラブでの評価が急上昇中で、2人とは違う特長を持つ田中碧(リーズ)も起用したいところだが、中盤の支配力と息の合った連係を考えると、この鉄板コンビが中国戦でも舵取りを担うと見る。
右ウイングバックは、堂安律(フライブルク)が先発し、伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)らを途中投入するケースが続いている。ただ、今回は中3日だと考えると、実力伯仲の伊東のほか、インドネシア戦で待望の最終予選初出場を果たすや価値あるゴールを奪ってみせた菅原由勢(サウサンプトン)の先発起用も十分あり得る。
予想は難しいが、勝利を重ねているなかで日中戦も10番がスターターで、試合展開に応じてアクセントを加えていくのではないだろうか。
左ウイングバックも三笘薫(ブライトン)で変更なしだろう。インドネシア戦でも巧みなアウトサイドパスで、南野拓実(モナコ)のチーム2点目をアシストした。出れば必ず仕事をする中村敬斗(スタッド・ドゥ・ランス)、攻守で相手にダメージを与え続ける前田大然(セルティック)が控えているのは、非常に心強い。
2シャドーは鎌田大地(クリスタル・パレス)と南野拓実(モナコ)から、インドネシア戦で複数の得点を演出するなど躍動した鎌田と、その一戦で出番のなかった久保建英(レアル・ソシエダ)のコンビに変更すると予想する。
久保はここまでホームで先発し、アウェーは控えという状況が続いており、「そう考えたらベンチの可能性もあるかもしれないですね。今のところオッズ通りに来ているので」と冗談を口にしていたが、2024年最終シリーズは今までのホーム&アウェーと違ってアウェー2連戦。この最終予選でアウェーゲーム初先発を果たすと考える。
南野は最終予選の全試合でスタメンを張っているものの、最近のパフォーマンスは鎌田の方がより優れている。
エース格へと成長した上田綺世(フェイエノールト)を怪我で欠く1トップは、再び小川航基(NEC)が先発を担う。小川はインドネシア戦で鎌田のクロスに反応し、先制点に絡むも記録はオウンゴール。今回は自らの名をスコアシートに載せられるか。
前節で大橋祐紀(ブラックバーン)が79分に小川と代わり、記念すべき初キャップをマークした一方で、出番なしに終わった古橋亨梧(セルティック)は、今度こそ切り札的な形で投入され、1年ぶりに代表戦のピッチに立つ可能性が高い。
取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)
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