画像はAIで生成したイメージ

東京都内にある高級住宅街。ここに軒を連ねる著名人の邸宅にもひけをとらない豪邸に住んでいるのは、レジャー関係の会社をいくつも経営している宮田拓郎さん(仮名・56歳)と妻の朝香さん(仮名・33歳)夫妻。

イケオジの拓郎さんと、アイドルのようにかわいらしい朝香さんは親子ほどの年齢差があるものの、近所でも評判のおしどり夫婦だ。

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経済的にも恵まれ、夫婦仲も円満とは羨ましい限りだが、朝香さんは結婚するまで苦労の多い人生だったという。

 「私の母(60歳)は当時勤めていた会社の上司と不倫して私を産みました。子供の認知もしてもらえず、養育費ももらえなかった母はずっと働きづめでしたけど、生活はいつも苦しかったです。私はいつもお腹を空かせていましたし、物心ついた時から家事をやっていました。友達と遊んだ経験もほとんどありません。母と何かをしたとか、どこかに出かけたという記憶もないですね」

中学校卒業後、金属加工の工場で働き始めた朝香さんだったが、もともと勉強が好きだったこともあり、定時制高校に通い始める。

ここで同級生として知り合ったのが拓郎さんだった。

「その頃、主人はすでに会社を経営していましたが、高校中退という学歴が悔しくて再入学したそうです。運転手付きのセンチュリーで通学してくる主人は学校中の注目の的でした。席が隣同士だったので親しくするようになりましたが、年齢的なこともあって、最初はお父さんかお兄さんみたいな存在でしたし、主人も完全に私のことを子供扱いしていました(笑)」

そんなふたりが恋に落ちるきっかけになったのは、体育の授業の時だった。

「バスケットボールをやっていた時です。主人の投げたボールが私の頭にあたって、私が軽い脳震盪を起こしたんです。その時に主人が責任を感じて家まで送り届けてくれたんですが、車の中での運転手さんとのやりとりとか、電話で仕事の打ち合わせをしている様子がすごく頼もしく見えたんですよ。いつも教室で一緒にワイワイやっている彼の違う一面というか、本来の姿を目の当たりにして『ギャップ萌え』した感じですね」

「守ってあげたい」

そんな朝香さんに対して、拓郎さんの方はというと「不安そうに目を閉じて、身体を丸めている朝香の姿に父性本能とは違う意味の保護欲というか『守ってあげたい』という気持ちが沸き上がるのを感じた」そうで、互いに特別な感情が芽生えたふたりはごく自然に交際を始め、高校の卒業式に拓郎さんが朝香さんにプロポーズしたという。

「びっくりしましたよ。だって、42歳の主人が19歳の私と結婚を考えるなんて、普通思わないじゃないですか? それに、確かに付き合ってはいましたけど、ずっとプラトニックな関係だったんですよ?」

これに対し、拓郎さんは「最初から彼女のことは女性として意識していたけど、ロリコンだと思われたくなかったし、大切にしたいという気持ちが強くて手を出せなかった」という。

「10代から必死に仕事をして、20代で独立してからも仕事一筋だった主人は私と知り合うまで、女性と『ちゃんと付き合ったこと』がなかったそうです。主人は若い頃できなかった恋愛がしたくて、年の離れた私を選んだんじゃないかと思っています。私もそれまで無縁だった『父親の愛情』を主人に求めていたのかもしれないですね」

「相手の愛情を独占したい」という思いから、これまで子供を持たなかった拓郎さんと朝香さんだが、最近妊活を始めたという。

「10年間ふたりの時間を満喫したし、主人の会社の後継者問題もあるし、お互い年齢的にももうこれ以上は先送りにできないと話し合ったんです」

食生活を見直したり、ジムに通ったりしながら妊活に励む拓郎さんと朝香さんに1日も早くコウノトリがやってくることを祈るばかりだ。

取材・文/清水芽々

清水芽々(しみず・めめ)
1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。