「若い頃はウソばっかついてた」 仕事の相談をしなかった佐久間宣行が、“おじさん”になって相談を受けまくるようになったワケ

テレビプロデューサーだけでなく、ラジオパーソナリティやYouTuberとしても広く活躍する佐久間宣行の新刊『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』(ダイヤモンド社)が話題となっている。仕事や家庭で生じるさまざまな悩みを、佐久間が簡潔かつ明快に答える1冊だ。

前編は、佐久間がこの本にかけた想いや「人生相談との関係」、さらには「上手な相談の仕方」について聞いた。(前後編の前編)

全国の会社員の「今」の悩みが詰まった1冊

佐久間宣行(以下同) 本を書くようになって、「資産運用」をするなら今だなって思ったんですよ。

──え、それはまたどうして。

いや、『ずるい仕事術』を書いてから、日本全国の会社に講演で呼ばれたんです。本当にいろんな職種。地方銀行から広告企業、インフラ企業まで。それでさまざまな業界の内実を知って。まあ、自分では投資しないからわからないんですけど(笑)。

──(笑)。

それで、そういう講演の最後は質疑応答になる。そのとき、日本全国のありとあらゆる人の悩みを聞いて、今回の『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』を書こうと思ったんです。

──今回の本は、『ずるい仕事術』のヒットに続き2作目ですが、どういう部分がバージョンアップしているのでしょう?

『ずるい仕事術』は、20〜30代で会社と折り合いを付けつつ、やりたい仕事をやるための方法を、自分の経験をもとに書きました。

でも『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』は、昨今の日本経済やコンプライアンス意識の変遷など、現在の状況も踏まえているのが違うかな。全国の会社でいろんな人と話したことを活かしています。

──本書の特徴は、ひとつの悩みに対して上司と部下の両方の視点で答えられていることだと思います。でも、こういうフラットな視点を持つのはなかなか難しいですよね。

僕は他の人と比べて、若いディレクターや社員と交流を持っているのも関係あると思います。いろんな人となるべく等距離で仕事するように心掛けてきたので、いろんな人の気持ちがわかるんだと思います。

それと、僕は20代の後半ぐらいから番組を立ち上げていて、若いうちにリーダーだった時期が長い。それも、上司と部下の両方の視点を持てることにつながったのかと。

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本当のことを言うから、相談されるようになった

──若い時期って、佐久間さんは人に相談するタイプだったんですか?

全然しなかったです。若い頃は上を全く信用してなかったし、本心知られたくなくてウソばっかついてた(笑)。

──でも、そんな佐久間さんが悩みを相談される側にはなったわけですよね。それってなにかきっかけがあったんですか。

きっと、会社にとっては耳が痛いような本当のことを、僕が平気で言っちゃうタイプだったからだと思う。

テレビ局にいた頃は「これからのことを考えたら、どう考えても地上波のゴールデン向けのディレクターだけじゃ一生は食えないよ」って言ってた。「配信でも食えるディレクターになったほうがいい」って。それで会社に嫌われた(笑)。

──正論を言いすぎた。

でも、そういう予言がたくさん当たってて、それで後輩にいまだに悩み相談される。