今季リーグ3度目のMVP石川祐希を直撃! パリ五輪で死闘演じた伊代表主将との絶妙コンビネーションの“カギ“を告白「理解するのに時間がかかる」

 バレーボール最高峰リーグ、イタリアのスーペルレーガで、輝きを放つ日本代表のアウトサイドヒッター(OH)石川祐希。新天地シル スーザ ヴィム・ペルージャで早くもリーグ3度目のMVP(マンオブザマッチ)を受賞した直後に、インタビュー取材を敢行した。

 現地11月16日に行なわれたリーグ第8節でペルージャは、最下位に沈むユアサバッテリー・グロッタツォリーナをわずか70分で退け、本拠地でリーグ首位を堅守した。その試合で石川は、昨季王者の一員となり、迎えた今季は開幕から3度目のMVPを受賞した。

 ペルージャのホーム戦を実況するディエゴ・アンセルミ氏は、「イシカワはハイレベルなパフォーマンスを続けており、以前から在籍している競争相手のOH、ウクライナ代表オレフ・プロツニスキーとポーランド代表カミル・セメニウクをおびやかしていると掛け値なく言える」と称賛のコメント。スーペルコッパ、3日前の欧州最高位の大会CEVチャンピオンズリーグ(CL)初戦とリーグ今節まで公式戦11連勝の貢献者として背番号14を高く評価した。

 インタビュー冒頭で勝利とMVP受賞に祝福の言葉を贈ると、「ありがとうございます」と石川。この日に記録した18得点のうち、17得点を決定率71%をマークしたアタックで叩き出した。司令塔シモーネ・ジャンネッリのフェイクセットにレフトから強打で応えるなど、パリ五輪で死闘を繰り広げた日本とイタリアの両代表主将のタッグに化学変化が起こり始めている。1打目こそブロックに阻まれたが、試合ごとに進化が著しいコンビネーションについてこう言及した。

「基本的に速いボールと普通の速さのボールのトスを、しっかりコールして使い分けています。そこは問題なくて、1セット目に止められたのは僕の打ち方が少し悪かっただけなので。試合中もシモーネと確認をしながらやっています。なので、いい形で感覚を掴めてきているかなと思います」
  直近の試合では、レセプションでリベロの元イタリア代表マッシモ・コラチと頻繁にコミュニケーションをとっていたが、この日はコート外から見ても、ジャンネッリと幾度も言葉を交わしているのは明らかだった。そこでどんなやりとりがなされていたのか尋ねてみた。

「単純にコールしているか、していないかですね。聞こえたか聞こえていなかったかの確認と、聞こえていなかったら、お互いに入るタイミングはどうとか。僕はまだ1シーズン目なので、その辺を理解するのに時間がかかるところなので、コールを大事にしながらプレーしています」

 好調な石川だが、本来のポテンシャルを発揮するに至っていないのはサーブ。ペルージャの武器でもあり、貢献度を挙げたいところでは?との質問にこう明かした。

「そうですね。感覚があんまり良くないっていうのはあって、、、でも、練習で少しずつ良くはなっているとは思います。一気にすべてをというよりも、これからひとつずつですね。前回に良くなかったレセプションを意識したので、今日は良くなったかな。サーブに関しては、次の試合に出場した時にしっかり修正できるようにしたいと思っています」

 10月上旬に突入した中2日で試合が続く過酷なスケジュールの次戦は、日本時間20日午前4時開始のCL4回戦2戦目。足踏みしたチームに勢いをもたらした欧州デビュー戦での活躍を超えるパフォーマンスを期待できそうだ。

取材・文●佳子S.バディアーリ

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