大学生の頃、軽度の「子宮頸部異形成」と診断された女性。「定期的な検診を怠らなければ、がんになる心配はない」と医師にいわれ、きちんと病院に通っていたのですが……。Instagramで公開されたマンガが、多くのいいねを集めて話題となりました。作者の「みわ柴ちゃん」さんにお話を聞きました。



マンガ「20代前半で子宮全摘宣告されました」のカット(みわ柴ちゃんさん提供)

【マンガ本編】自然治癒すると聞いたのに…20代前半で子宮全摘? 子宮頸がんの体験記

自然治癒することがほとんど、といわれていたのに…

 子宮頸がんの闘病について描いた、現在も連載中のマンガ「20代前半で子宮全摘宣告されました」が、Instagramで多数のいいねを集めて話題となっています。

 大学生の頃に、軽度の「子宮頸部異形成」と診断された女性。治療の必要はなく、自然治癒することがほとんどだという医師の説明を受け、定期的に検診へ通っていました。しかし……。読者からは「マンガにしてくれた勇気に感謝します」などの声があがっています。

 このマンガを描いたのは、ブロガーの「みわ柴ちゃん」さんです。Instagramとブログでエッセイマンガなどを発表しています。みわ柴ちゃんさんに、作品についてのお話を聞きました。

※この記事では1話から9話までをご紹介しています。続きはInstagramのアカウントから読むことができます。

ーー大変つらい経験ですが、このエピソードをマンガにして発表しようと思った理由を教えてください。

 入院していたとき、同じ部屋の患者さんに「いまのこの経験を、いつかマンガにしてほしい」といわれたのがキッカケです。いつか描こうと心に決めてはいたのですが、つらかった経験なだけに他人に話せるようになるまでは時間がかかりました。でも、「同じ思いを誰にもしてほしくない」という気持ちはずっと心にあったので、思い切って発表しようと決めました。

ーー最初は「心配ない」と医師からいわれたそうですが、当時はどう感じていましたか?

 心配ないといわれても、心配でしたよね(笑)。「がん」と聞いて、とても恐怖を覚えました。

ーー周囲に病気について相談できる人がいたことで、救われた部分も大きかったでしょうか?

 理解し合える人がいるというのは心強かったです。ひとりだったらもっと恐怖心を抱いていたかもしれないし、逆にもっと病気を軽視していたかもしれないです。

ーーこの作品を通して、どのようなメッセージを伝えたいですか?

 若くても、検診に通っていても、誰でも子宮を失う可能性があるという事実を伝えたいです。そしていま、子宮を残そうか悩んでいる方に届いたらいいな、と思っています。

ーーこの作品は現在も連載中ですが、完結予定はいつ頃ですか?

 大体150話くらいで、2025年中には描き終えられたら、と思ってはいます。恋人のユウくんとの結末も描いていくつもりなので、恋愛マンガとしてもお楽しみいただけたらと思います。

ーー作品について、どのようなコメントが寄せられていますか?

「子宮頸がんの検診はハードルが高い」という言葉をいただきました。でも反対に、「この作品を読んで、初めて検診へ行った」というコメントが何より多かったです! 少しでも誰かの背中を押せているのなら、私の経験をマンガにして良かったと思いました。このマンガが検診へ行くキッカケになったなら、私もうれしいです。