大宮セブンの映画は「すばらしい材料」
──(笑)。文田さんがいちばん印象に残っているのは?
文田 ダイヤモンドとマヂカルラブリーと3組で回った『ウルトラセンスツアー』で(9月に)沖縄の宮古島に行ったんですよ。そこで、野田クリスタルが見たことないくらいはしゃいでたこと。
根建 すげえ羽伸ばしてましたね。
文田 みんなで海行ったとき、シュノーケルとかラッシュガードとか、大量にドンキで買ってきて。
根建 全員分。何もかも野田くんが払ってたよな。
出典: FANY マガジン
文田 僕は自分用のちゃんとしたラッシュガードを持っていって着てたんですよ。で、流れで脱いだやつが、たぶん野田くんが買ってきたみんなの分に紛れてなくなっちゃったんだよね。
根建 いいラッシュガードなんでしょ?
文田 そう。あれけっこうショックだった(笑)。
──今年は8月に大宮セブンの10周年ツアーでも沖縄に行きましたよね。
文田 野田くん、そのときも浮かれてはいたけど、宮古島ではさらに先頭ではしゃいでた。
根建 野田クリスタルってあんなキャラですけど、旅行ではめちゃくちゃベタな男なんですよ。オレも一緒に何度か旅行したことあるけど、マジでパンフレット1ページ目から順番にいく男。お笑いの教科書はぜんぶ無視するのに、旅行の教科書は読みまくるんです(笑)。
──大宮セブンといえば、今年は大宮セブンの映画『くすぶりの狂騒曲』もつくられました(12月13日から全国公開)。
文田 僕らも観たんですけど、タモンズがウケてないころから客席で笑っている女の子がいるんです。で、その子がライブ後に大波だけを出待ちするシーンがあるんですよ。別に2人の出待ちでもいいのに。個人的にそこがめっちゃツボです。
出典: FANY マガジン
根建 主役・タモンズって言ってるけど、実は主役・大波なんだよね(笑)。脚本は僕らの元同期のヤツ(中村元樹)で、めっちゃ細かく取材してつくってくれてます。
文田 映画ってすごいですよ。もちろんヒットしてほしいけど、しなくてもそれはそれでイジれるから、すばらしい材料が与えられたなと思って。ちゃんとつくられている映画だから、そこがいいですよね。
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単独ライブが賞レースの始まり
──12月には、なんばグランド花月とルミネtheよしもとで単独ライブ『曼珠沙華』が開催されます。年末の単独ライブも毎年恒例になってきましたね。
文田 『M-1』に出ていたころは春〜夏にやってましたけど、卒業してからは当てつけのようにこの時期に単独をやってますね(笑)。単独ライブがいちばん少ない時期だと思うので。
──『THE SECOND』が始まってからは、この単独ライブが賞レースの始まりという感覚も?
文田 あ、そうっすね。できれば『THE SECOND』で「今年つくったネタをやっている人」でありたいという気持ちがあるんですよ。だから単独は戦えるネタができるかできないか、「お願いします!」という気持ちでやってます。それこそ今年の『THE SECOND』では新ネタをかけられなかったので、来年はなんとか。
──『THE SECOND』は『M-1』と比べても、新ネタであることはそこまで重視されないように思いますが、「できれば新ネタで」という思いを持っているのはなぜですか?
文田 別にお客さんもそれを求めてるわけじゃないし、僕らもむちゃくちゃこだわりがあるというわけではないんです。ただ、わざわざ昔のネタを引っ張り出してイマ風にするのって、なんか面倒じゃないですか。それよりも、いまできて面白いものだったら、できればそっちをやりたい、それが第一希望、という感覚ですかね。
出典: FANY マガジン
見たことあるネタでも『THE SECOND』のあったかいお客さんは笑ってくれるんでしょうけど……。やっぱり新ネタ、見たことないネタで笑いたいじゃないですか、きっと。今年の『THE SECOND』のかもめんたるさんとか、本当に最近つくったネタ持ってくるからドキドキするじゃないですか。
根建 たしかにな。
文田 ああいう魅力をまとっていたいなという思いはありますね。
根建 単独ライブで、初めてお客さんの前で新ネタをやるときが、やっぱりワクワク度合いはいちばんあるんですよね。だから賞レースでも、直近の新ネタをやれるのがいちばん鮮度もあるし、やっててドキドキもするし。逆にめちゃくちゃ自信あるネタでいつもよりウケなかったら、「あれ、いつも絶対ウケてんのに」と傷つきそうじゃないですか(笑)。だったら、新しいネタを手探りでやる感じのほうがいいのかなと。