この画像はハッブル宇宙望遠鏡がとらえたもので、渦巻銀河UGC 10043が映っています。UGC 10043は、へび座の方向、約1億5000万光年の距離に位置しています。

渦巻銀河の銀河円盤を上下方向から見ると、渦状腕が渦を巻いているようすを見ることができます。UGC 10043では、銀河円盤が地球から見てたまたま真横を向いているため、渦状腕は見えていません。

画像ではUGC 10043の銀河円盤が直線状に見えており、そこに暗い塵の帯が重なっています。「バルジ」と呼ばれる銀河の中央部の膨らみは、ほぼ卵形をしています。

UGC 10043は銀河円盤に対してバルジが非常に大きく、それはおそらく、UGC 10043が近くの矮小銀河から物質を吸いあげているためだと見られています。また円盤がゆがみ、一方の端が上向きに、もう一方の端が下向きにやや曲がっているのも同じ理由かもしれません。

画像はハッブル望遠鏡のACS(掃天観測用高性能カメラ)とWFPC2(広視野惑星カメラ2)で撮影された画像を組み合わせたものです。WFPC2の画像は2000年、ACSの画像は2023年に撮影されました。この画像には、23年の時を経て撮影されたデータが使われているのです。寿命の長いハッブル望遠鏡だからこそ実現できた画像になります。

画像はハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として2024年11月18日に公開されました。

(参考)「ハッブル今週の1枚」記事一覧

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Windhorst, W. Keel

(参照)ESA/Hubble