17歳ヤマルの負担軽減をめざすバルセロナが、ナポリのクバラツヘリアに接触と現地報道!  ニコ・ウィリアムスとの交渉は一旦白紙に

 ラ・リーガ第13節、バルセロナがレアル・ソシエダに敗れた要因(0-1)の1つとして現地で指摘されているのがラミン・ヤマルの欠場だ。ハンジ・フリック監督は代役として左ウイング兼トップ下として新境地を開いているラフィーニャを右に移すのではなく、フェルミン・ロペスを右サイドに起用した。しかし、中盤が本職の選手がサイドに張りながら、常に相手の脅威となるヤマルと同じ役割を担うのはそもそも無理があり、それがロベルト・レバンドフスキら周りの選手のパフォーマンス低下に影響を及ぼしていた。

 バルサで監督、アシスタントコーチ、スポーツディレクターとありとあらゆるポストを経験し、1998年にJリーグの横浜フリューゲルスを率いたこともあるカルレス・レシャック氏も、スペイン紙『ムンド・デポルティボ』のコラムで、「(ソシエダ戦の)勝敗を分ける選手となったのが、タケ・クボ(久保建英)だ。彼がバルサに復帰しないことを知った時は残念に思ったものだ。私はバルサのカンテラ時代から、彼の小生意気なところが好きだった。バルサ戦でも、ウイングの真骨頂である1対1で勝負して常に脅威を与え、ソシエダの攻撃に活力をもたらしていた。バルサに欠けていたのは、クボのような相手の守備網を切り裂くドリブラーだった」と分析している。

 もともとニコ・ウィリアムス(アスレティック・ビルバオ)の獲得に失敗したこともあり、局面を打開するウイングの不足は指摘されていたが、それを露呈する格好になった。当然、首脳陣はそのことを把握しており、すでに来夏に向けて左ウイングの獲得調査を進めている。スペインではインターナショナルブレイクに入ると、移籍関連のネタが増えるのが常だが、ここ数日、バルサ寄りのスポーツ紙『スポルト』を賑わしているのが、ナポリのフビチャ・クバラツヘリアだ。地元イタリアのスポーツ紙『ガセッタ・デロ・スポルト』の記事を引用する形で、すでに代理人とコンタクトを取り、本人もバルサ側の接触を歓迎していることを報じている。
  ネックとなるのが1億3000万ユーロ(約214億円)に設定されている契約解除金で、ましてやナポリのデ・ラウレンティス会長はタフなネゴシエーターとして知られている。よって今のところアクションはアプローチだけに留まっており、本人がバルサ行きを志願し、交渉の余地が生まれた場合のみ、本腰を入れる構えだという。さらに、これまた高額な支出は避けられないとはいえ、今夏も獲得に向けて動き、代理人のジョルジュ・メンデスとジョアン・ラポルタ会長との太いパイプを活かせば付け込む余地のあるミランのラファエル・レオン、来夏フリーとなるバイエルンのレロイ・サネ、リバプールとの契約延長交渉が難航し、バルサに売り込みがあったというモハメド・サラー、フリック監督がプレースタイルを熟知するボルシア・ドルトムントのカリム・アデイェミもリストアップされているという。

 一方、今夏もターゲットだったニコ・ウィリアムスはアスレティック残留を選択したことで、一旦交渉は白紙に戻っている。バルサが再び獲得に本腰を入れるには、本人がバルサでプレーしたいと明確に意思表示することが条件だという。『スポルト』紙によると、バルサは左ウイングに加え、左右のサイドバックも来夏の補強ポイントに挙げているようだ。右はジュール・クンデのバックアッパー役を担える若手、左はアレハンドロ・バルデに刺激を与えられる一線級の実力者がターゲットだという。

『スポルト』紙で言及されているのは、以上の3つのポジションにとどまるが、今後は、レバンドフスキの頼れるバックアッパーが不在のCF、正守護神のマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンが右膝の膝蓋腱を断裂し、状態がどこまで戻るか不透明なGKも、補強ポイントにあがる可能性はあるだろう。もちろん、この補強プランを青写真通りに進め、メインターゲットを手中に収めるには、近年、大きな頭痛の種となっているサラリーキャップに関する問題を解決することが前提となるのだが。

文●下村正幸

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