チャン・ドンゴン、映画『満ち足りた家族』ジャパン・プレミアに登場!再タッグのホ・ジノ監督は「俳優をリラックスさせてくれる」と感謝

映画『満ち足りた家族』(2025年1月17日公開)のジャパンプレミアが11月20日、TOHOシネマズ六本木にて開催され、主演のチャン・ドンゴンとホ・ジノ監督が舞台挨拶に登壇した。


【写真を見る】チャン・ドンゴンのお茶目なハートポーズに会場は黄色い歓声に包まれた
本作は、『八月のクリスマス』(98)、『危険な関係』(12)のジノ監督が1つの事件をきっかけに、ある兄弟とその家族が崩壊していく様を描いたサスペンス。家族間の親密な描写を細やかに描写しながら、人間の奥底に潜むよどみや揺れ動きを描き出す本作で、チャン・ドンゴンはソル・ギョング演じる兄ジェワンと正反対の信念を持つ弟ジェギュに扮している。2023年のトロント国際映画祭でのワールドプレミアを皮切りに、約1年間で20以上の映画祭で入選を果たし話題となった、チャン・ドンゴンにとって約5年ぶりの映画出演作だ。


約5年ぶりの映画出演となるチャン・ドンゴン
黄色い歓声に迎えられたチャン・ドンゴンは「こんばんは、チャン・ドンゴンです」と日本語で挨拶し割れんばかりの拍手を浴びる。久しぶりに作品を持って日本のファンに直接会えることをうれしく思うと笑顔を浮かべ、海外の映画祭では「文化の違いがあるにもかかわらず、たくさんの良い評価をもらった」と報告。韓国では昨年秋に公開され、「メディアの方々をはじめ、観客のみなさんもいい評価をしてくれました」とニッコリ。日本の観客が本作をどう観るのか、とても楽しみでワクワクしているとも語った。


「日本のみなさんの反応が楽しみ!」と笑顔のホ・ジノ監督
ホ・ジノ監督とのタッグについて、「『八月のクリスマス』を観て、いつかご一緒したいと思っていた」と振り返ったチャン・ドンゴンは、「監督とご一緒できた『危険な関係』はオール中国ロケ。いままで出会ったことのない新しい演出スタイルで、適応するのに大変な思いもしたけれどとても興味深い現場でした」としみじみ。さらにホ・ジノ監督は「俳優をリラックスさせてくれる監督」であるとし、「粘り強く取り組む監督だけど、僕たち俳優をよく理解してくれる。頼もしい援軍を得たという気持ちにさせてくれる監督です」と笑顔。ちょっと恥ずかしそうな表情になったチャン・ドンゴンは、「実は、『危険な関係』の前に、東京ドームで『韓流四天王』というイベントがあって。その時の映像を作ってくれたのが監督なんです。だから、それを含めると3度目の共作になります!」と報告。このエピソードを明かす前に照れた表情を浮かべた理由は、「韓流四天王」というタイトルを自分で口にすることに恥ずかしさを感じたからとも説明する場面もあった。


2023年のトロント国際映画祭でのワールドプレミアを皮切りに、約1年間で20以上の映画祭で入選を果たし話題に
本作の原作についてホ・ジノ監督は「今回が4回目の映画化。すべてがすばらしい作品なので、韓国で映画化することに最初は躊躇いました」と告白。決め手となったのは自分にとっての挑戦になると感じたからだとし、「シナリオを読み返すうちに、いままでと違ったものを(映画に)詰め込めると思いました。これまで男女の間の感情のやりとりを映画化してきましたが、本作では韓国の現在の社会問題を表現しています」と物語を紹介。兄弟の設定を医師と弁護士にしたのは「韓国のみなさんにより身近に感じられる(物語になる)と思ったから」だそうで、医師も弁護士も韓国では憧れの職業であることも、理由のひとつであったと補足していた。


「また来てね〜!」などの声も飛んでいた
最後の挨拶でチャン・ドンゴンは韓国各地に舞台挨拶で訪れたことに触れ、「ある劇場の壁に“映画のなかで答えを抱いている映画は、観終わったらそこで終わるけれど、質問を投げかける映画は、観た後から始まる”と書いてありました。この作品は観終わった後に、みなさんにいろいろなことを考えさせると思います。みなさんも、ぜひあれこれと考えを巡らせてください。意味のあることを考える時間になると思います」とアピールし、大きな歓声と拍手に包まれながらステージを後にした。

取材・文/タナカシノブ