SOPHIAの松岡充がSIAM SHADEの栄喜に声をかけ、両バンドのデビュー30周年を祝う一夜限りのビッグイベント<1995 SIAM SOPHIA-G>が2025年2月9日、大阪城ホールにて開催される。同い年、同時期デビュー、同じシーンを駆け抜けながら交わることがなかった2組のバンドメンバーが今、同じステージに立つ。発起人の松岡曰く「僕は絶対に運命だと思う」という奇跡のイベントの実現だ。
SOPHIAは1995年10月にミニアルバム『BOYS』でメジャーデビュー。10枚のオリジナルアルバムをリリースするも2013年8月に活動休止。9年後の2022年10月に約束の地・日本武道館で活動を再開し、現在に至る。一方のSIAM SHADEは、同じく1995年10月にシングル「RAIN」でメジャーデビュー。2002年に解散するも、2007年、2011年、2013年、2015から2016年にかけて、期間限定再結集を果たしている。
デビュー30周年を迎える2025年2月の共演は、前述したとおり松岡の発案によるもの。先ごろ公開した松岡パーソナルインタビューでは、「この先、もっともっと刺激的な企画が生まれそうですね」という問いに、「楽しみにしていてください」と答えていたが、早速それが現実となるかたちだ。また、SIAM SHADE栄喜曰く「松ちゃんから、連絡があったのはバンドの問題が解決した直後だった」とのこと。巡り合わせ、ライバルであり盟友との宿命、避けられない未来とでも言おうか、まさしく運命的な共演として、歴史に刻まれる事件となるはずだ。
なお、<1995 SIAM SOPHIA-G>当日は、同じく1995年に芸能活動を開始したガレッジセールを総合司会に迎えて、数々のユニットも披露されることが予告されているなど、“1995年デビュー”という一貫したテーマでの開催となる。BARKSは松岡充と栄喜に直撃。同イベント始動に至る詳細をじっくりと語ってもらった。
◆ ◆ ◆
■松ちゃんも“並走してた”と言いましたけど
■僕らもSOPHIAはライバルだと思ってたから
──どんなことが起きているのか、まだ状況が掴めていないのですが。
松岡充:それはたぶん、栄喜もそうです(微笑)。
栄喜:本当ですよ! ここ1ヶ月くらいなんですよ、松ちゃんから連絡が来たのは。
──ビッグプロジェクトなので、随分前から水面下で計画されていたのかと思いきや。
松岡:いや、僕の中にはあったんですよ。でもSOPHIAのライヴ(<Symphonic Night><スターライトヨコハマ><スターライトコウベ>)が立て続けにあったので、スタッフには「それをやりきるまで待っててくれ」とずっと言っていたんです。
──松岡さん発案のプロジェクトなんですね。
松岡:はい。もちろんずっと考えていたし、僕の気持ちをしっかりと伝えれば、「分かった」と栄喜が言ってくれるだろうという絶対の自信があったんです。もしかしたら物理的な問題があるかもしれないけど、そのときはそのときで大人として対処するし、できなかったら仕方がない。でもね、気持ちさえあればできちゃうんです。バンドってそういうものじゃないですか。だから他の要素…興行的にうんぬんとかビジネス的なことはまったく考えてない。とにかくSIAM SHADE栄喜と一緒に演りたいと。
──松岡さんのその熱く強い思いだけで実現に至ったと。
松岡:はい。まず最初に、デビュー30周年に何をやろうかと、時代を遡っていろいろ考えたんですね。栄喜と知り合ったのはもうずいぶん前だし、彼らとSOPHIAはデビューも同期なのに、ずっと交わることなく並走してここまできた感じで。
──両バンドは1995年デビューの同期で2025年に30周年を迎えますが、対バンやイベント共演の話はあまり聞いたことがありません。
松岡:常に意識はしていたんだけど、たとえば連絡を取り合って「飯に行こうよ」って距離感でもなかった。でも、こうして大人になって…随分遅い大人だけど(笑)、今ならいろんなものを飛び越えて、一緒にできるんじゃないかなっていう確信が僕にはあったんです。でも、栄喜の連絡先も知らなかったから、まずXをフォローして、「一回会って話そう」とDMを入れたんです。
栄喜:ビックリしましたよ、本当にいきなりでしたから(笑)。DMで返信したら「一緒にやらないか?」と。そんな声かけだったんですよ。松ちゃんもさっき「並走してた」って言いましたけど、僕らもSOPHIAはライバルだと思ってましたから。
──ライバル?
栄喜:ええ。当時、スタイリストさんに「僕にも松ちゃんみたいなオシャレな衣装、持ってきてくださいよ」って言ったら、「あなたみたいにデカい人が着れるサイズはない!」って、よく逆ギレされてました(一同笑)。
──好敵手としてお互いを見ていたなんて、当時はまったく分からなかったです。
松岡:だからこそデビュー30周年は、この顔合わせしかないだろうと僕は確信したんですよ。栄喜は憶えてるか分からないけど、Rose Noir(松岡充と豊田和貴[G]がSOPHIA結成前に在籍していた関西ヴィジュアル系バンド)時代だから1993年とか1994年かな。SIAM SHADEの噂は聞いてたんですよ、「関東にLUNA SEAの次に出てきたすごいバンドがいる。今度イベントで関西に来る」と。
──それが初共演だったわけですか?
松岡:YANTA鹿鳴館のイベントで、Rose Noirの次が彼らの出番だったんですよ。ステージ裏の狭い楽屋で、それこそ一触即発みたいな感じですれ違ったんだけど。そこにメッチャたっぱ(身長) があって、髪を逆立てて、agnes b.みたいな黒ガウンを着て、黒い羽を首に巻いてたヤツがいたんだけど。それが栄喜だった。
栄喜:いや、あれは作務衣みたいなサウナ服ですから(笑)。当時、お金がなくてホテルに泊まれないからサウナに泊まってたんですよ。今だから言えますがそのサウナの黒い服を着てたんです。羽はつけてたかもしれないけど(笑)。
松岡:それがむちゃくちゃカッコよかったんだよね。そのあと僕はSOPHIAを結成するんだけど。まだインディーズのときに、僕とSIAM SHADEの栄喜とREDIEAN;MODEのSHINYA君、Eins:VierのHirofumi君の4人で音楽雑誌(V系専門誌『Vicious』)の表紙になったんですよ。SOPHIAの松岡として栄喜と会ったのは、そこがスタートです。当時は栄喜じゃなくてCHACKだったよね。
栄喜:やったやった! 憶えてる。当時は“なんで僕がここに入ってるのか分からない”って感じだったんですけどね。表紙のセンターを飾ったのは松ちゃんですよ。このとき既に僕らとは差があったんです(一同笑)。その直後、ほぼ同時にメジャーデビュー(1995年10月)するんですけど、音楽雑誌の掲載ページ量で言えば、SOPHIAがカラー10ページに対して、僕らはモノクロの小さいところから始まって。SOPHIAのデビューは鳴り物入りでバーン!って感じだったから、僕らはずっと羨ましくて嫉妬してました。本当にずっと意識してましたから。
松岡:いやいや。僕らからすると、SIAM SHADEの所属レーベルはソニーで、事務所はアミューズっていう超大手からのデビューだったから、“これはやべぇぞ”って思ってましたよ。
──お互いが羨んでいたわけですね。
松岡:ですね。しかもデビュー月まで同じだったから余計に意識してたかも。で、同い年なんですよ。
栄喜:そうです。
──個人的な付き合いが始まったのは?
松岡:バンド活動以外のところで、LUNA SEAのRYUICHI君の存在が大きいですよね。栄喜はRYUICHI君の弟みたいな感じだったし。僕はたまたま縁あって、RYUICHI君がSOPHIAのデモテープを聴いてくれて、声を掛けていただいて。その後、可愛がってもらってたから、そこでも栄喜とはすごく近い存在ではあったんです。
栄喜:たぶん最初は、RYUICHI君に松ちゃんを紹介してもらって。そこから仲良くなった気がする。
松岡:それもずいぶん年月が経ってからだったけどね。
栄喜:そうそう。RYUICHI君が「SOPHIAって知ってる? 充とは仲がいいんだけど、今度一緒にどう?」って。僕としては嫉妬心もありましたし「マジっすか!?」と。でもね、やっぱり会って一緒に話すと、この顔にやられちゃうんですよ(笑)。
松岡:ははははは!
栄喜:結局、この顔に見つめられたらなんでも許しちゃう、許せちゃうんですよね。それまでのいろんな感情が全部浄化されて。いつの間にか“松岡軍団”に入ってるんですよ。
松岡:ははははは。ね、栄喜って優しいでしょ? でも、僕もそうなんですよ。会って話をしてみたら、栄喜の“漢(おとこ)だな”っていう部分にやられるんです。メジャーデビューすると、音楽活動が仕事になるわけで、惑わされるようなことがいっぱいあるんですよ。当時はそんな時代だったし、そのなかでSOPHIAだったり僕自身は“流されたくない”と必死でやってきた。それってメジャーの人からすると「なに甘いこと言ってるんだ。いつまでインディーズ気分なんだ」って話なんだけど、そこだけは譲らなかった。僕は、SIAM SHADEもそれを貫いてるなと思っていて、たぶんそれは栄喜がそうさせてるんじゃないかなと感じてたんです。
──同じようなものを持っていると。
松岡:実際に会って話してみたら栄喜は、素直だし、嘘をつかないし、一本気だし、しゃべってて気持ちいい。音楽を聴いてもそうなんですよ。「1/3の純情な感情」で一気にブレイクして突き抜けたときは、やっぱり凄いなと思いましたし、そのときのことはいまだに忘れられない。だから、この30周年をきっかけに一緒に演りたいと思ったし、これをきっかけにもう一回復活してほしい。個人的にはそういう気持ちが強いんです。
■対バンっていうか一緒に演りたい
■2組のメンバーでひとつのユニットを
──やっぱり松岡さんには熱烈な思いがあるんですね、彼らに対して。
松岡:はい。もちろんメンバー個々に考えがあるでしょうから、復活はバンドで決めることなんだけど。ずっと一定の距離感を保ちながら、すごく近くで彼らを見てきた身としては、“このバンドがなんで活動しないんだろう。今の時代に響くのに”って思いしかないんです。SIAM SHADEに憧れて音楽を始めて、今第一線で活躍してるバンドマンって、いっぱいいると思うんです。そういう人たちを引き連れていってほしい。
──ヴィジュアル系はもちろん、ラウド系にもSIAM SHADEをコピーしていたというバンドはたくさんいます。
松岡:そうですよね。僕らが50歳を超えて今できることって、次の人たちになにかいい影響を残したり、もしかしたら一緒になにかを創ったり…そういうことかもしれないし、そういうことができるって思うんです。事実、僕らの先輩はYOSHIKIさんを筆頭に、いまだにそういうことをしてくれている。それこそL’Arc-en-Cielも黒夢もLUNA SEAも、みんなそういった活動を続けているから。その次にあたる僕らの世代は、実は1年ぐらいしか変わらないんですけど、その1年違うだけで足を向けて寝られないぐらい、偉業を成し遂げてる大先輩なんですよ。そこを我々の世代…昭和のミドル世代で、2000年よりも前にデビューした人たちがそろそろ受け継ぐ時期なんじゃないかなと。僕と同世代で一番肩を組みたいなって思ったのが栄喜だし、SIAM SHADEのメンバーだったということです。
──これまであえて他のバンドとスクラムを組まなかったSOPHIAが、今ここで肩を組むということが衝撃でした。
栄喜:そこで僕らを誘ってくれたことには、本当に感謝しかないです。松ちゃんに誘われなかったら、僕らは30周年アニバーサリーの活動は絶対にやらなかったと思うんですよ。皆さんご存じだと思うんですが、今の状況を考えると…僕らいろいろあったんで。正直疲れちゃってて、とてもそういう気持ちにはならなかった。そんななかで松ちゃんが「一緒に演ろうよ」と誘ってくれて、「30周年をやるのもいいよね」って、気持ちが動いたんです。だから…やっぱり、こういうきっかけがないと、なかなかそういう方向に気持ちが向かわなかったから。本当に松ちゃんが誘ってくれなければ、このタイミングで4人が集まって演るということにはならなかった。だから、SIAM SHADEのファンのみなさん、ぜひとも松ちゃんに感謝してくださいね(笑)。
松岡:いやいやいや。
栄喜:僕自身も感謝してるんですよ。たとえばこれが他のバンドから誘われたとしても、“演ろう”とは絶対にならなかったと思うから。
松岡:そっか…本音を聞けて本当に嬉しいな(笑)。
栄喜:しかも実は僕ら、大阪城ホールってこれまで一度もやったことがないんですよ。だから“おぉ~! これはきたぞ”と思いましたし。
松岡:だから、これは運命ですよ。だって、これだけ近くにいて、同じ年で、同じ時期にデビューして、ずっと同じシーンにいたのに、絡むことがなかった2組のバンドメンバーが、30年後に形はどうであれ一緒にステージに立てるというのは。僕は絶対に運命だと思う。
──このあと2人でフォトセッションを行いますが、一緒に撮影するのも、インディーズ時代に4組で音楽雑誌の表紙を飾って以来となるわけですか?
松岡:いや、10年前ぐらいかな? 栄喜と僕の2人で表紙をやったことがあるんですよ。それは今回とは逆で、それまで全然連絡も取ってなかったのに、栄喜からいきなり「松ちゃんと一緒に雑誌のカバーをやりたい」と連絡がきて。すごく嬉しくてご一緒した以来ですね。
──栄喜さんは、なぜそのとき松岡さんと一緒に雑誌の表紙をやりたいと思ったのですか?
栄喜:僕、友だちがいないんで(笑)。RYUICHI君は先輩として仲がいいんですけど、同期とか後輩とは僕、全然つるんでないんですよ。だから、松ちゃんは唯一“ちゃん”付けで呼べる人なんです。なかなかちゃん付けで呼び合わないですからね。これデカいんですよ、僕の中で。NATCHIN(B)は「松岡君」って呼ぶんですけど、僕は「松ちゃん」。“僕のほうが親しいし近いぞ”ってところはあります(微笑)。
松岡:ははは。変なたとえですけど、義兄弟みたいな感じですよね。遠いようだけど実はどこか絆でつながってて。同じようなフィールドで同じように頑張ってるんだけど、それゆえ逆に、あまり仲良くすると照れくさいみたいな。そういう感じだよね?
栄喜:うん、そうそう。
松岡:だから、“この2人って仲いいの? 繋がりあるの?”ってみんなが思うぐらいがちょうどいい。絆はつながってるからね。それこそ僕は10年前、一緒に表紙撮影をしたときから、“いつか一緒に演れたらいいな”と思ってましたから。やっと今、機が熟したという。
──それぞれのバンドメンバーに伝えたときの反応はどうでしたか?
松岡:SOPHIAは僕から1人ずつメンバーに「今こういうことになってるんだ」って電話で伝えたんですけど、めちゃくちゃ喜んで、みんな、めっちゃ気持ちがアガってた。「マジで! めっちゃええやん!」って。
栄喜:嬉しいですね。僕のほうは「えぇー!?」みたいな感じで、みんなまず驚いてました。で、「それ、いつなの?」と聞かれて「2025年2月9日」って伝えたら、さらに驚いて。「それ 今からでも間に合う?」みたいな(笑)。
松岡:ははははは。
栄喜:普通に考えると助走が短すぎるんですが、お互いがやってきたことを演れば、いいライヴになるという自信はあります。僕ももう52歳ですから、それぐらいのプライドはあるし、ステージに上がっちゃえば演ることは一緒ですから。SOPHIAと僕らがやればみんなを楽しませることができるという気持ちもあるし。
松岡:栄喜もそうですけど、彼らは他のメンバーも現役バリバリですからね。なかなかいないですよ、ここまでずっとステージに立ち続けてる人たちは。
──SOPHIAも完全復活して、こちらも現役バリバリです。
栄喜:本当にそう。
──では、2025年2月9日のライヴに関して、松岡さんが考えている構想を聞かせてください。
松岡:これは誰も知らないと思うし、まさに今日、栄喜に話そうと思ってたんです。
栄喜:はい。
松岡:僕が栄喜の代わりにヴォーカルとして加入して、1曲歌おうかなと。
栄喜:ほぉ!
松岡:勝手な僕の考えを、しかも今初めて言ったわけですけど、栄喜から「ダメ」って言われても、言っちゃったからには絶対にステージへ出て行って歌ってやろうと思ってます(笑)。逆に、栄喜にはSOPHIAにヴォーカルとして加入してもらって、僕の代わりにSOPHIAの曲を1曲歌ってもらおうかなと。
栄喜:僕はね、松ちゃんから一番最初にもらったのが「Believe」の限定CDなんですけど。あれ、いまだに持ってるから。でも、さすがに代表曲「Believe」を僕が歌っちゃマズいよね? みんな松ちゃんが歌うのを聴きたいだろうから。
松岡:全然! そういうこともやりたいし、全バンドオールキャストで演る場面も作りたい。だから、栄喜から「対バンなの?」って聞かれたとき、「対バンっていうか一緒に演りたい」って感じで伝えたんだよ。要は、ひとつのユニット。30周年限定になるかもしれないけど、2組のバンドメンバーでひとつのユニットを作りたいんです。
──面白そう! お互いのバンド名のイニシャルが“S”で繋がっている同士で。
松岡:そう! ユニット名はSIAM SOPHIAにしようと思ってます。この日のライヴイベントのタイトルも、今ここで初めて言うんですけど…。
栄喜:うん、初めて聞く。
松岡:<1995 SIAM SOPHIA-G>です。
栄喜:おぉ~!
──メインの“1995”は両バンドのデビュー年として、“G”とは?
松岡:当日は、同じく1995年デビューのガレッジセールに総合司会を担当してもらうんです。
──ガレッジセールのGだと。
松岡:はい。彼らとは昔、TV番組(テレビ朝日系『ガレッジヴァンガード』)の企画でGaphiaというユニットを組んだことがあるんですね。なので、メイン司会プラスGaphiaとしても出演してもらって1曲演ると思います。
──伝説の「I Love You, SAYONARA」(2002年9月発表/チェッカーズのカバー)のパフォーマンスが生で観られるということですか?
松岡:はい。せっかくだから、Gasiamもやってほしい。今からだと時間がないので間に合わないかもしれないけど。
■音楽としてひとつになって
■立ち向かうべきものがある時代
──バチバチの対バンとかではなく、30周年ならではの超豪華セッション的なスペシャルステージが楽しめるものになりそうですね。
松岡:そうです。栄喜との関係性がバチバチとかではく、ただ一緒に演りたいという純粋な気持ちなので。さっきも話したように、もう兄弟だと思ってるんですよ。今日の撮影も「兄弟だと思って撮ってほしい」とカメラマンにリクエストしたぐらいですから。全然連絡とかしないんですけど、それでもずっと僕のなかにいる人なので、栄喜は。
栄喜:本当に嬉しいですね。松ちゃんは、めちゃくちゃカッコいいんですよ。
松岡:嬉しい(笑)。
栄喜:ほら、こうしてニコッて笑うと八重歯が出て(一同笑)。クイズ番組とかバラエティ番組とかテレビに出たりして、仮面ライダーにもなる。僕は得意なことがあまりないんですけど、松ちゃんは本当になにをやってもカッコいい。僕も仮面ライダーになりたいですから。
──栄喜さんもテレビ番組『アウト×デラックス』出演回が伝説回と呼ばれてます。
松岡:僕からしたら…僕はインディーズ時代から知ってるので、当時CHACKって名前で呼んでたんですけど。CHACK時代から今の栄喜まで、やっぱりヴォーカリストとしてずっとカッコいいんですよ。
──ヴォーカリストとしてはどう見ているんですか?
松岡:僕には真似できない、僕にはないものを全部持ってる。男としてというか、音楽性も含めて羨ましいところがたくさんあるんですよ。だってね、栄喜は今もこんなにカッコいいんですよ。イケイケですもん。栄喜の音源も聴いたけど、何ひとつ変わってない。ハイトーンもシャウトも凄いんですよ。で、甘い声も当時のまま。みんなもっと知るべきだと思うんです。栄喜というヴォーカリストだったり、彼のバンドの作品を。今回のステージが、そのきっかけになってくたらいいなと思ってます。
──なるほど。
松岡:そういうヴォーカリストで、そういうバンドだから、一緒に演りたいと思ったわけで。バンドの境遇はかぶってるところもあるんだけど、それ以外のところはSOPHIAとはまた異なる魅力があって。こんなにカッコいい音楽を、こんなにカッコいいメンバーが鳴らしてる。そこをウチのファンにも紹介したいんです。SIAM SHADEファンの人たちにも、SOPHIAっていうバンドがいるんだよ、同時期を走ってきたんだよということをアピールしたいし。なんかね、もうファンもアーティストもみんなが一緒になる時代でいいんじゃないかなと思うんですよ。
──今はバチバチに戦う時代ではないと。
松岡:それぞれのバンドが、それぞれのメンバーが、それぞれの縄張りの中で、それぞれのやり方で、百花繚乱のバチバチな時代もあったけどね。今はそれを超えて、音楽としてひとつになって立ち向かうべきものがある時代。だからこそ、ジャンルとかフィールドとか会社とか忖度とか関係ねぇよって。そういう奴らが集まって、一緒に肩を組んでなにかをやれたら、それが一番カッコいいと思うんです。
──栄喜さんにはぜひとも、SOPHIAnsが場内に作り出す壮大なヒマワリ畑の景色を体感してもらいたいですね。
栄喜:当日は僕もヒマワリを持参しますよ。僕は昔、ハムスターを飼ってたので、ハムスター経由でヒマワリとは縁があるので。
──エサ用のヒマワリの種ですね。
松岡:ははは! こういうところが栄喜っぽいところです。
栄喜:ウチのファンは空気読むので、きっとヒマワリを持ってくるんじゃないかな。こういうのは形から入って楽しむとより面白いですからね。ライブ会場付近の花屋さんからヒマワリがなくなるかも。
松岡:会場でヒマワリを販売するようになったんだけど、売上はすべてチャリティーとして寄付してる。
栄喜:そうなんだ。
──逆にSOPHIAnsが、なにか用意すべきものはありますか?
松岡:それ、僕も聞きたかった。
栄喜:ウチはそういうのなにもないんですよ。とにかく拳を上げてください。
──当日のセットリストも気になるところです。
栄喜:攻撃的にいくのか、シングルをバーンといくのか…まだ全然決めてないです。
松岡:みんなが聴きたいものを選んで演ってくれるんじゃないかな。
栄喜:ウチのファンは激しいのが好きですからね。
松岡:それもいいよね。羽もつけてくれるかもしれませんし(笑)。
栄喜:羽ぐらいつけますよ。この取材で羽の話が出ちゃってるわけですから(笑)。
──当日のライヴがますます楽しみです。
栄喜:本当に誘ってくれて感謝しかないです。僕らのちょっと暗いニュースが出た後だから、30周年にライヴをやるなんてファンも思ってもなかったと思いますし、僕ら自身も絶対にないだろうなと思ってて。そんなところに松ちゃんが誘ってくれたおかげで、こういう形でライヴをやることになりました。みんな本当に喜んでくれるんじゃないかなと僕は思ってます。せっかく誘ってもらったので、当日は楽しみながら精一杯やりたいですね。
松岡:僕らはお互い30年間活動してて。いまだにファンでいてくれる人たちって、もうファンというよりも同志だし、同じ時代を一緒に生きている仲間だと思ってます。その仲間たちが集まれる場所を作れることが、すごく嬉しい。最初に言いましたけど、どこかでずっと憧れてて、ライバルだった栄喜と肩を組み、この年になってもお互いが活動を続けていて、一緒に演れるようになったことは運命だとも思ってます。このイベントを通して、彼らの素晴らしさやカッコよさを今の時代に響かせるきっかけになったらと本気で思ってます。
◆ ◆ ◆
【SOPHIA松岡充とSIAM SHADE栄喜の公式コメント】
▼SOPHIA 松岡充
「このコラボレーションに多くの方が、特にお互いのファンはびっくりしたかもしれませんが、僕の中ではSOPHIAで活動しながらも、『いつか良き友であり、ライバルでもあるSIAM SHADEメンバーと一緒に同じステージに立ちたい』と思っていました。デビューから30年という年月を経てやっとその夢が叶います。
皆さんの想像以上に急に決まったことなので準備もままならないのですが、やりたいときにやる、バンドマンってそういうものじゃないかなと。デビューを夢見てがむしゃらだった頃の気持ちとなんら変わっていません。“急過ぎるよ”と言われるかもしれませんが、楽しくないはずがないので、そこはご了承下さい。
30周年を迎える2つのバンドメンバーとガレッジセールが一緒になって、集まってくれたオーディエンスを巻き込み、とにかく楽しい一夜を創ることは保証します」
▼SIAM SHADE栄喜
「松ちゃんからのこの声かけは僕にとっては大きなサプライズでした。こういう形で、しかもこのタイミングで、誘ってもらえたのはすごく嬉しかったです。
メンバー間で大変なことが続いていて、つい先日ああいう発表をしたばかりで、ファンの方のなかには動揺して落ち込んでる人もいると思います。そんなタイミングで誘ってくれたというのは、純粋に友達としてすごくありがたかったです。今回のこのライブのきっかけがない限り、30周年の活動予定はなかったので、ファンの気持ちを考えてもすごくありがたいというか…感謝しかないです。
初の大阪城ホール、僕自身とても楽しみです」
◆ ◆ ◆
取材・文◎東條祥恵
撮影◎宮脇進
ヘアメイク◎笹川知香(松岡充)/戸倉陽子(栄喜) スタイリスト◎永井翼(栄喜)
■FM OSAKA 55th anniversary<1995 SIAM SOPHIA-G>
2025年2月9日(日) 大阪城ホール
open15:30 / start16:30
出演:SOPHIA 栄喜(SIAM SHADE) KAZUMA(SIAM SHADE) NATCHIN(SIAM SHADE) 淳士(SIAM SHADE)
総合MC:ガレッジセール
【チケット】
①SS Special Seat:¥15,400-(税込)
▼SS Special Seat特典
1. アリーナ席保証 (座席は抽選になります)
2. SS Special Seat専用入場口利用可能
3. 終演後、メンバーが客席にてご挨拶
※出演者全員でアリーナ席のSS Special Seat全体に向けてご挨拶させていただきます。
②一般指定席:¥9,900-(税込)
※SS Special Seatアップグレード対象、リセール可
③着席指定席:¥13,200-(税込)
※公演中は必ず着席にてご覧いただきます。
④ファミリーシート:大人¥9,900-(税込)・高校生以下¥3,500-(税込)
※入場時に身分証明確認有り。電子のみ
大人1名+子ども1名 ¥13,400-(税込)
大人1名+子ども2名 ¥16,900-(税込)
大人2名+子ども1名 ¥23,300-(税込)
大人2名+子ども2名 ¥26,800-(税込)
※着席が指定の席ではございませんので立ちあがっての観覧可能
※SS Special Seaアップグレード対象外
※当日引換券、リセール不可
⑤学生シート:4,400円(税込)
※SS Special Seatアップグレード対象外、リセール可
※入場時に学生証チェック有。年齢は不問。電子のみ
※年齢制限:未就学児入場不可
※車椅子にてご来場のお客様は事前に“公演に関するお問い合わせ”までご連絡ください。
※枚数制限:4枚
【最速優先予約】
受付開始:2024年11月22日(金)15:00〜
Eternal会員先行受付:https://sophia-eternal.jp/contents/868259
SIAM先行受付:http://r.y-tickets.jp/1995siamsophia-g_siam
主催/企画:FM OSAKA/TOY’S FACTORY
制作:Avex Live Creative Inc.
協賛:LAWSON ENTERTAINMENT Inc.
■ライブ映像作品『SOPHIA Premium Symphonic Night in 大阪城ホール』
2024年12月25日(水)発売
※予約限定パッケージ締切:11月20日23時59分
【期間限定予約商品(Blu-ray+2CD)】
PPTF-7113~5 ¥8,800(税込)
https://store.toysfactory.co.jp/syousai.asp?item=PPTF-7113
【Blu-ray】
PPTF-7116 ¥7,150(税込)
https://store.toysfactory.co.jp/syousai.asp?item=PPTF-7116
▼収録曲
01. Overture
02. 青空の破片
03. Eternal Flame
04. ヒマワリ
05. 蜘蛛と蝙蝠
06. KURU KURU
07. brother & sister
08. Believe
09. Replay
10. Place~
11. one summer day
12. あなたが毎日直面している 世界の憂鬱
13. in the future
14. 街
15. 夢
16. 交響曲第9番 ~ 黒いブーツ-oh my friend-
■SOPHIAミニアルバム『GIRLS and』
2025年春リリース予定
※詳細後日発表
■『SOPHIA 30th Anniversary × JOYSOUND直営店コラボキャンペーン』
実施期間:10月2日(水)~12月1日(日)
※キャンペーン開始時間および終了時間は各店舗の営業時間に準じます
キャンペーンサイト:https://shop.joysound.com/campaign/sophia_2024/