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大みそかに放送される『第75回NHK紅白歌合戦』にK-POP勢が多数出場するとして、かつて“嫌韓”と呼ばれた一部のSNSユーザーが怒り狂っている。

昨年の紅白には、『NiziU』『SEVENTENN』『MISAMO』『JO1』『Stray Kids』『LE SSERAFIM』、特別枠の『NewJeans』と、K-POP勢としては過去最多となる計7組が出場。

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今年もこの流れは継続し、11月19日に発表された出場歌手には、初出場の『ILLIT』『ME:I』『TOMORROW X TOGETHER』に加え、『TWICE』「JO1」「LE SSERAFIM」の計6組が名を連ねた。

とりわけ紅組は、全20組のうち4組がK-POP勢となったが、これに嫌韓のSNSユーザーが猛抗議しているのだ。

だが、果たして彼らの言うように、K-POP勢が6組出場することは、本当に“不当”なのだろうか?

多角的に検証すると、むしろ不当どころか“納得”でしかないことが見えてきた。

若者は韓国大好き! 各ランキングで1位に

NHKは紅白出場歌手の選考基準について、公式サイトで「今年の活躍」「世論の支持」「番組の企画・演出」の3つだと公表している。

「世論の支持」については、7歳以上の全国2015人を対象に行った電話調査と、7歳以上の全国8000人を対象に行ったウェブアンケート調査の結果だとしているが、昨今若い世代に韓国カルチャーが人気なことは、他社の調査でも明らかだ。

楽天の運営するフリマアプリ・ラクマが行った「2024年版『ファッションの参考にする国』」調査では、女性は50代以下の全世代で韓国が1位を獲得。「参考にしている人」でも、1位が「TWICE」、3位が『BTS』とK-POPグループだ。

2023年版の同調査でも、女性は50代を除く全世代で韓国が1位。2022年版も、女性は60代を除く全世代で韓国が1位と、支持の高さは明白である。

また、文字入力アプリ・Simejiを展開する中国の検索エンジン大手・百度(バイドゥ)が、昨年12月28日~今年1月4日に2348名を対象に調査した「Z世代が選ぶ!!『留学してみたい国TOP10』」でも、韓国がアメリカ、カナダといった英語圏を抑えて首位を獲得した。

「番組の企画・演出」に関してはNHKのさじ加減だが、「今年の活躍」でもK-POP勢は申し分ない。

「多くのグループが群雄割拠するK-POP界では、ライバルより少しでも先を行こうと、ファンが数字に異常なまでのこだわりを見せることで知られています。その熱意は日本の推し活や音楽シーンでは見られないほどで、競争は熾烈そのもの。この競争により、K-POPのMV再生回数、CD売上、サブスク再生などは、コンスタントに好成績を叩き出しています」(音楽ジャーナリスト)

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そもそも“大量出場”には多くの前例が

紅白に1つの事務所や勢力から大量出場するのは、これまでにもあったことだ。

K-POP勢だけ特別ひいきにされているわけではない。

「紅白はアミューズとの癒着がウワサされ、昨年は同事務所だけで紅・白合わせて5組が出場。特別枠に至っては事実上、“アミューズ枠”と化しており、創設からの17年で『サザンオールスターズ』と桑田佳祐だけで5回も出場。2017・18年は『サザン』と桑田が別名義で連続出場し、一昨年もコラボ枠として桑田が出場しています」(同)

2014年には、『AKB48』『SKE48』『NMB48』『HKT48』と、秋元康系列のグループだけで4組も出場。2019年には「AKB」に『乃木坂46』『欅坂46』『日向坂46』と坂道グループまで参入し、紅組の枠を食い潰していた。

「このように、1つの事務所や勢力が5~6組の枠を埋めることなど、紅白では散々起こってきたこと。前例がある以上、『K-POP勢だけ突出して多い』という論拠は成り立たず、菅義偉元総理の言葉を借りれば『ご批判は全く当たらない』というものです」(レコード会社関係者)

そもそも、今回出場が決まったK-POP勢6組のうち、メンバー全員が韓国人のグループは「TOMORROW X TOGETHER」しかいない。

「ME:I」と「JO1」に至っては全員日本人で、企画・プロデュースが韓国系というだけだ。

「その他のグループも、いずれも日韓中台などのアジア圏メンバーを集めたグローバルユニットがほとんど。これすら認めないというのは、島国根性丸出しな、排他的で視野の狭い発想でしょう」(同)

娯楽が多様化した昨今では誰もが納得するヒット歌手もいないのだから、多少の不満は飲み込んだらどうか。