11月17日に投開票が行われた兵庫県知事選挙で再選を果たした斎藤元彦知事。下馬評を覆し、111万3911票を集めた原動力になったと言われるのがSNSだ。

 翌18日放送の「ゴゴスマ~GOGO!smile~」(CBCテレビ・TBS系)では改めてSNSが選挙に与えた影響を徹底分析。スタジオ出演したコメンテーターが選挙期間中に規制をかけるべきとの見解を示してネット上で炎上する事態となった。

 元フジテレビアナウンサーで3児の母である中村仁美は「テレビでセーブしている言葉」もSNSでは当たり前のように使っていると指摘し、「刺激的だから、うちの子たちほとんどテレビ見ない」とコメント。そのうえで選挙戦について「あの短期間であそこまで熱狂的な方たち、うちわを作ってって…。ちょっと政治とは違う、アイドル的な扱いまで熱量が上がってくるって今までなかった」と振り返り、「SNSも情報発信するメディアとして、ひとつのメディアとして、規制とかそういうものをつくったほうがいいんじゃないかな」と提言した。

 その後、現地で選挙を取材したという元宮崎県知事の東国原英夫氏は、斎藤氏の陣営について「SNSの専門家がいます。いました、今回。10人かな。チームを作って」と述べて、ショート動画が拡散された経緯を解説。MCの石井亮次アナウンサーから、SNSのファクトチェックが機能していない点を聞かれると、東国原氏は「ない状況ですね。ですから今後、SNS、ネットも公職選挙法の対象にする議論がこれから始まるかもしれませんね、このままだと」と私見を述べた。

 SNSでの発信に公職選挙法の規制をかけるべきという意見について、《オールドメディアの遠吠えにしか聞こえん》《SNS規制って中国じゃないんだから》《テレビだって誤情報だらけだよね?》などとツッコミの声が殺到していた。

「実際に選挙期間中にSNSを規制する動きは海外で見られ、ブラジルでは、今秋の地方選挙の期間中、『フェイクニュースやヘイトスピーチの拡散防止』を理由にXのサービスを停止する措置が取られました。しかし、実際にはVPN(仮想プライベートネットワーク)などを用いて発信するユーザーが後を絶たなかったそうですし、言論の自由が保障されている日本でSNSを規制するのは現実的ではないかもしれません」(メディア誌ライター)

 海外では普及しつつあるインターネット投票の議論が進まない中、SNS規制を叫ぶのは時期尚早だったかもしれない。

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