MotoGPは2024年最終戦ソリダリティGP終了後にカタルニア・サーキットでポストシーズンテストを実施。ヤマハはここでテストした新パーツが期待通りに機能することを確かめるなど、ポジティブに日程を終えた。
このテストでヤマハはシャシー、エアロダイナミクス、エンジンをアップグレードしたYZR-M1を投入。ファビオ・クアルタラロは最終戦の予選タイムを上回り、アレックス・マルケス(グレシーニ)に次ぐ2番手タイムを記録した。チームメイトのアレックス・リンスも順調に8番手タイムを記録している。
なお今回のテストからヤマハはプラマックが陣営に加入。ミゲル・オリベイラとジャック・ミラーがヤマハのMotoGPマシンを初めて走らせた。
チームディレクターのマッシモ・メレガリはポストシーズンテストでの新パーツのライダーからの評価はポジティブであり、来年のセパンテストでこれを更に確かめていきたいと語った。
「我々が主に評価していたのはシャシーとエアロダイナミクス、そしてわずかにアップデートされたエンジンの3つの項目だ。そしてこの3項目全てのアイテムで、ポジティブなフィードバックを得られた」
メレガリはMotoGP.comにそう語った。
「しかし実際に何かを判断するよりも、我々としては(来年2月の)セパンテストまで待ちたいと思っている。ひとつのサーキットでテスト項目を完全に判断することはできないため、少なくとも2回は確認した方が良いからだ」
「この方向性で打ち出しているステップは、良いフィーリングだけではなく良い結果ももたらしている。これは非常に重要なことなんだ。過去に我々は何度もライダーのフィーリングに耳を傾けてきたが、今は結果とフィーリングが一致している」
「テストは我々の期待よりも上手くいったとも言える。私からしてみれば、長く厳しいシーズンを終えるにあたって良い形だ」
そしてクアルタラロも、テストでのフィーリングは非常に良く、ポジティブだったと振り返った。
「良い1日だったよ。タイムアタックはほとんどしなかったんだけど、予選よりも良いタイムを記録することができた」
クアルタラロはそう語る。
「新シャシーと新エンジンでファステストを刻んだんだ。これはポジティブなことだ。燃料も3kgでスタートしたわけじゃなくて、8~9kg積んでいたからね」
「もちろん僕は限界で走ったけど、100分の1秒か10分の1秒か、僕らはもう少し速く走れたはずなんだ」
こうしてポストシーズンテストをポジティブに終えたヤマハだが、来年2月のセパンテストに向け、さらに大きなアップデートが予定されているという。
「新エンジンは同じ敏捷性でスピードが少し上がっているし、新シャシーのステアリングも良かったよ」とクアルタラロは言う。
「トップスピードをもっと稼ぐためだと思うけど、新しいフェアリングも試した。でもこれはあまり良くはなかった。ほとんど同じだったんだ。いくつか、かなり興味深いことを試したんだ」
「僕たちは正しい方向に向かっていると思うし、マレーシアでは計画されていた中で最大のモノも持ち込まれるだろう。だから方向性はいいし、それが将来のためになればと思う」
ただクアルタラロは、こうしてポジティブにテスト内容を語っている一方で、YZR-M1が長年抱えている弱点のいくつかはまだ抱えたままだと説明した。
「僕が常に改善が必要だと考えてきたコーナー出口の領域では、改善されたとは思っていない」
「新シャシーではコーナーエントリーは少し良くなったと思うけど、出口に関しては欠いたままなんだ」
「パワーとグリップが唯一の望みだ。グリップに関しては、僕たちは本当に、本当に遠く離されているんだ」
「そして(パワーに関しては)、サンタクロースがすでにやってきて、少し(パワーを)追加してくれた」
ヤマハのバルセロナ・テストへの取り組みは、新しいパーツを投入しなかったホンダとは対照的だった。ジョアン・ミルはホンダのこうした姿勢に怒りをあらわにしている。