先日、アルピーヌF1は2026年シーズンからパワーユニットをメルセデス製に切り替えることを発表。これについてオリバー・オークス代表は、チームが「最高のエンジン」を単に求めていたのだと語っている。
これまでアルピーヌはグループ内製のルノーPUを使用してきたが、上層部は次世代PU計画を断念する意向を持っていることが今年明らかになり、ヴィリーのPU拠点従業員から反の発にあいながらも最終的に2026年以降はメルセデス製PUを使用することを決断した。
F1のポッドキャスト番組Beyond the Gridに出演したオークス代表は、PUプロジェクトの断念には様々な感情が絡んでいたものの、チームは”最高のエンジン”を求めていたと語った。
「今年下されたいくつかの決定は簡単なものではなかった」とオークス代表は言う。
「ヴィリー(ヴィリー-シャティヨン/ルノーのPU開発拠点)の件はチーム、そして多くの人々にとってとても関心のあることだ。ワークスチームとして素晴らしい歴史があるからね」
「しかし変化は来る。あらゆるジャンルのスポーツチームで、栄光に甘んじることはできないのは分かるだろう」
「そして我々は正直にならねばならないと思う。分析は私が着任する前に、取締役会レベルで行なわれており、カスタマーチームになることがチームの利益にかなうものだとされていた」
「これが難しい決断だったことは理解している。ワークスチームであることに我々は誇りを抱いていて、来年1年間はまだ一緒にやっていくことになるため、そこには多くの感情が渦巻いていることも理解している。しかしこれは、我々がどこへ向かいたいのかという大きな意思表明であったとも思う」
「我々は単に人数合わせのためにここにいるわけではない。我々は前に進みたいんだ。マシン後部にベストエンジンが欲しいだけだ。結局のところ、我々はレースをするためにここにいる」
「グリッド前方に並びたいんだ。後方(のグリッド)まで歩いて行きたくない。そして残酷なことだが我々のとった選択は、ベストエンジンを載せ、グリッドを前へと進み続けるための助けにすることだった」
なおオークス代表は次世代PUでもメルセデスが2014年のハイブリッドエンジン導入時のように、最高の状態でスタートできる保証はどこにもないと認めているものの、これは当然の選択だったと語った。
またメルセデス製PUを搭載することで、アルピーヌの車体設計能力も試されることになると付け加えた。
「人生において絶対確実というものはないが、そこは実利的であるべきだ。私が就任する少し前のことだから、決定の全容はわからないがね」
「ただ、私がもしそこで言及したなら、おそらく歴史が示しているように、規則変更があったとき彼らは常に強かったと言っていただろう」
「この決断で大きな意味がある点として、自分たちをベンチマークにする能力も得られるところがある。結局我々は今のところ、完璧なシャシーや完璧なエンジンを製造する能力は持っていない。我々はその点について正直で謙虚なんだ」
「だから私からすると、この件で得られるもうひとつのことをあえて言うと、それは鏡を見て、シャシー側でも懸命な作業に取り組む必要があるということだ。これは我々が楽しむべき挑戦でもある」
「私の個人的な視点からしてみると、それこそが我々の仕事の理由なんだ。自分たちがベストを尽くし、素晴らしい仕事ができ、良いレースマシンを作れるんだということを証明したいんだ」