日本代表は11月19日に行なわれた2026年北中米ワールドカップ・アジア最終予選の第6節で、中国代表を3-1で下して勝点を16に伸ばし、次節バーレーン戦で8大会連続での本大会出場が決まる可能性が高まっている。
敵地での一戦、日本はセットプレーで得点機を見出し、39分にCKで小川航基が頭で合わせて先制すると、前半のアディショナルタイムにも再びCKから町田浩樹のフリックをファーサイドの板倉滉がダイビングヘッドで詰めて加点。後半の立ち上がりに守備を崩されて失点を喫するも、54分に伊東純也の巧みなフェイントからのクロスから再び小川のヘディングシュートが炸裂し、リードを広げてこれを守り切った。
4試合を残して本大会出場に王手をかけた「サムライブルー」の中で、最も見る者に強い印象を与えた選手のひとりが2ゴールの小川であり、FIFA(国際サッカー連盟)は公式サイトで、「小川は代表で9試合に出場して9得点と、際立った成績を残している。2023年まで4シーズンにわたってJ2で過ごしてきた27歳にとって、これは大きな偉業である」と称賛。そして彼の可能性に対しても次のように期待を寄せている。
「小川の活躍は、日本が長年抱えてきた問題の解決策となる可能性を示唆している。日本はこれまで、大迫勇也や岡崎慎司といった得点力のある選手をW杯に送り出してきたものの、本大会で1試合に複数ゴールを記録した日本人ストライカーはまだいない。堂安律、久保建英、南野拓実、三笘薫、中村敬斗といった才能ある選手たちによって、サムライブルーがチャンスを創れることはほぼ間違いないが、2026年大会でそれらのチャンスをモノにする役割を、小川が担うことになるのだろうか」
一方、AFC(アジア・サッカー連盟)は、ホームで前回対戦の惨劇(0-7の大敗)は回避した中国のブランコ・イバンコビッチ監督が「日本の勝利を祝福するが、彼らはそれが簡単なものではなく、かなりの激しさの中で達成されたと感じているはずだ。我々が先制していれば、結果は違ったものになったかもしれない」と語ったことを紹介したが、試合については「中国の猛烈なチャレンジにもかかわらず、日本は圧倒的な強さを見せた」と総括した。 国外メディアの反応を見ると、中国のスポーツ紙『東方体育日報』は「日本は控え選手主体の布陣で、全力は出していなかった」との見解を示した上で、「中国は本気で戦い、2点差での敗北に止めただけでなく、今回の予選で初めて日本のゴールを破ることに成功した。これは、我が国がこの5年間の国際大会で日本相手に決めた初の得点でもあった」として、自国代表チームが大健闘したことを強調している。
個々の選手としては、「久保は右サイドでの突破力が非常に高く、欧州の舞台でも相手を翻弄することが多い選手だ」と評価したが、その後に「そんな選手をシュー・ハオヤンが抑え切ったのは驚きだった。彼が守備面で大きく成長したことが見て取れる」と、自国選手への評価に結び付けた。
『北京日報』も、「日本と比べると、中国の総合力はまだまだ劣っていた。リン・リャンミンが追撃のゴールを奪うと、日本チームはすぐさま反撃して、再びスコアを3-1と書き換えた。しかしそれでも、イバンコビッチ監督率いるチームは攻撃を諦めず、傷つきながらも戦いに臨み、最善を尽くした」と綴っている。
その他の国では、フランスの日刊紙『ouest france』が、「日本代表は中国に乗り込み、見事な内容で3-1の勝利。これで日出づる国は5勝目を挙げ、W杯出場にさらに近づいた」と報じ、「31歳のウイング、伊東は特に輝きを放った。2点目のゴールにCKのキッカーとして絡み、さらに試合を決定づける小川の3点目をアシストした」と、自国リーグでプレーするウインガーに焦点を当てた。
一方、ドイツの日刊紙『BILD』は、「得点者としても活躍した板倉を守備の要とする日本の守備陣は、今ラウンドここまでわずか2失点という堅守を維持している。日本は本大会出場権を事実上、手中に収めたと言える。残り4試合で最大12ポイントが得られる状況だが、現時点で3位との勝点差はすでに10ポイントもあり、これを覆される可能性はほとんどない」と伝えている。
そしてスポーツ専門チャンネル『ESPN』は、前述のFIFA公式サイト同様に2得点の小川に注目し、「上田綺世が負傷で不在となっている中で、CFの正当な代役として主張した」と題した記事で、「小川はこの1週間で、サムライブルーの先鋒としての力を示すために、これ以上のことはできなかっただろう」と称賛し、「アジア最終予選は来年3月に再開される予定であり、上田はそれまでに復帰している可能性が高いが、小川がこのままスタメンの座を維持したとしても驚きではない」とした。
構成●THE DIGEST編集部
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